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兄貴が出勤にはまだ時間がらあるからとか言って荷物を持つのを手伝ってくれて、コロコロ音を鳴らしてスーツケースを動かし、集合場所になっている広場へと向かう。
集合20分前って早いのかなって思ってたけど結構人はいた。
…あ、あの遅刻常習犯の愁も来てる。珍しい。眠たそうだけど。
その集団に近づくにつれて多くなっていく俺らに向けられる視線。え、何。何。お前くんなよとかそう言う?
「流星さん、目立ってる」
…と、思ったがどうやら原因は兄貴にあるらしい。よく周りを見たら確かに兄貴の方に視線が集まってる。家族が、しかも兄がここまで来るのが珍しいとか?
「そんなことよりもあるでしょルウちゃん。よく見なよ…」
「…?」
「え、何。流星ちゃん寝癖ないさらさらヘアだぞ?」
俺と兄貴は愁の言ってることが分からず目を合わせて首をかしげる。
他になんかあるか…?格好はいつも通りの兄貴だ。ホスト?みたいにアクセサリーじゃらじゃらさせてる訳じゃない。多分普通のサラリーマンだ。服装もちょっと着崩してるのを除いたらどこもおかしいところはない。
「否、あの何で流星さんサングラス付けてるんですか」
「運転してたら眩しいだろ」
「それがぽく見えるんですって…!!」
「あ…、あーー…」
その目立ってるところってのは兄貴がつけてるサングラスのせいだったらしく、やっと理解した。運転中は兄貴夏でも冬でもサングラス付けてるからなぁ…。それをつけたまま車から外に出るのも良くあることで、俺にとっては何度も見た光景だからそれはカウントしてなかった。
2人曰、そのサングラスと着崩されたスーツがそれっぽく見えるらしい。んで、視線が集まってたんだと。兄貴のサングラスのせいで。
うーん…そうなんだって思って見たら確かにそう見えなくも…?
「そんなにグラサン駄目?」
「駄目ですね」
「琉生ちゃん厳しい…」
長年愛用してるサングラスをホストっぽいと言われ、兄貴がしゅん、と眉を垂らしてサングラスを取り、それを胸ポケットにかける。サングラスが駄目なのか、つける場所が変わってもチャラく見えるものは見えてしまう。残念兄貴。
「これ可愛いじゃん…」
「どちらかと言えば厳ついですかね~」
「む…」
兄貴のサングラスは黒色のよくある普通のサングラス。それがホストっぽく見えてしまう兄貴は……きっと普段からホストだって勘違いされるからなんだろうなぁ。それに兄貴は不服そうだ。
「…あ、そうだった。つーばき先生~!ハニーちゃん来ましたー」
「…おはようございます流星さん。狼城君の首席確認しました」
「何が駄目なんだ」とサングラスを弄ってた兄貴だったけど、考えるのを止め…ふと何か思い出したように涼に話しかけた。
一応念のために着いたら担任の教師に出席を伝えることになってる。兄貴は別に俺じゃないから涼のと関係で偽るようなことは必要ないし普段通りに涼に話しかけてる。
「今日も仲がよろしいことで。…誰が、誰の、ハニーなのかは存じ上げませんが」
「怖い目が怖い椿先生落ち着きましょう?」
「さあ、何のことでしょうかね」
他の人たちが視線をそちらに向けてないのを良いことに涼があの、怖い笑みを兄貴に向ける。笑ってるけど目は笑ってない奴。兄貴がハニーっていったのが気に入らなかったとか…?可愛い。
良いぞ兄貴もっとやれ…は涼が不機嫌になっちゃうから言うのはやめておこう。後兄貴泣きそうだし。
「あ、ご、ごめんねハ…昴流。俺もう時間だから、遅れるから!あーちょっと時間やべぇわ。…てことで楽しんでおいで」
「ん」
「愁も琉生も楽しんで~」
1・2分位涼と話したら、兄貴は時間には余裕があると言っていたのに急に慌てだして駆け足で去っていった。その原因はもしかしなくても涼にあるんだと思う。…涼今度は何を言ったんだろう。俺が聞いてないところで何故か涼は大魔王様だ。
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