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「…ちゃん、ルウちゃん」
「んぅ…」
頬をつつかれ、意識がぼやぁ、と少しずつ明るくなってくる。今まで自分が何をしていたのか思い出せない。名古屋辺りまでの記憶はあるんだけどそっから全く。
「るーうーちゃん。後30分位で大阪だよ」
「おー、さ…?」
「そう、だから起きて」
「んー…」
どうやら寝てしまっていたらしい。集合時間が早かったのもあっていつもより早く起きたからそれで寝てしまったのかも。
愁が俺の頭を撫で、起きてと言ってくるけど愁の手が気持ち良くて逆に眠気を誘う。
寝ている間に抱き締めていたらしい愁の腕に擦り寄ってまだ眠たいことを行動で伝える。
「珍しいな昴流が目覚め悪いの。…寝不足?」
「かなぁ。集合時間ショートよりも早かったもんねー」
「んゆ…」
愁とは違う手が増えて、その大きい方の手がくるくると俺の髪を指に絡めて遊びだす。擽ったくて頭を振って抵抗すると、琉生が笑う声が聞こえた。
「俺の手は嫌なのか」
「そりゃあだって遊ぶからじゃん。…ほらルウちゃん。起きないと神戸行くよ?大阪通り越して岡山とか福岡に行っちゃうよ?」
「もーちょっと…」
「駄目、起きる」
「あう…」
もう少し、頭がスッキリするまでこうしていたいと伝えるも愁の腕から無理矢理引き剥がされて体を起こされる。
枕代わりになるものがなくなってしまい、仕方なく頭をこくんこくん縦に揺らしながら目を擦って重たい瞼を開けようとしてみる。
「こら、擦らない。外出て顔洗ってくる?」
「…立つのめんどくさい」
「じゃあ起きる」
愁に擦っていた手を目から引き剥がされてしまう。起きろと言われても瞼が重たくて、何もしてないとまた寝てしまいそう。
今日朝兄貴の弁当作ったのは失敗したな。夜にやれることやっておけば良かった。後起きる時間ももうちょい遅くても。4時起きは俺にはきつかった。
「水飲む?水じゃなくて紅茶だけど」
「…ん」
朝買ったストレートティを愁が俺のリュックから出して渡してくれる。それを受け取ってボトルのキャップを取って一口だけ飲んだ。
紅茶の冷たさが体に染み込んでいくようで、その冷たさで頭の中がちょこっとだけすっきりした。
「持ったままぼーっとしてたら中身零れるぞ」
「あ…、ごめん…」
でもまだ頭で機能してない部分があって、飲み口をぼう、っと眺めていると横から大きい手が伸びてきて、ペットボトルの蓋を閉めてくれた。
それからと言うもの2人に頬をぺちぺち叩かれたり、横腹を擽られたり。俺の目を覚ますために色々と行動に移され、お陰で大阪に着くまでになんとか目をぱっちり開けることが出来た。出る用意できたのはギリギリ。
俺眠たかったら行動力がた落ちだな、と寝惚けていた時のことを思い出して痛感。俺普段眠気に負けることとかねぇもん。……つまらない授業は寝ちゃうけど。
今日は多分何もしてなかったらすぐ睡魔が襲ってくるだろうから2人に迷惑かけないようにせめて就寝前の点呼の時間までは起きれるように頑張る。
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