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嫌だ、戻りたくない、と繰り返す涼。そんな涼が可愛くて、もうずっとここにいて良いよとか言いたくなっちゃうけど、後々困ることになるのは目に見えているから言おうにも言えない。これが学校行事じゃなかったら言えてたんだけどなぁ。
「…あ、りょ…」
「ん?なーに俺の部屋に来る?」
「そういう訳じゃないけど…」
どうすれば涼にやる気になってもらえるかと考えてたら、涼に渡してないのがあるのをふと思い出して、今日買ったものが詰められてる袋を漁ってエルモに食べ…じゃなかった。エルモの被り物をしてる熊の鼻の部分を涼の唇に押し付けた。
「これで後1日頑張って?」
こんなものが出てくるとは思ってなかったのか驚きで反応が全くない涼の両手でキーホルダーを握らせて、クッキーモンスターの方をお揃いだってことを伝えたくて涼に見せる。エルモの方を涼に渡したのは赤と青じゃあ涼は青っぽいなぁって思ったから。涼は俺が持っときたいから、だから涼には赤?
「…涼…?キーホルダー嫌だった?ちょっと大きすぎた…?」
あまりに涼が無反応でいくら待ってもずっと固まってるから、喜ばれてないんじゃないかと思って顔を覗いてみる。てしてしとキーホルダーを使ってつついてみても無反応。これはこれで悲しい。何かリアクションして欲しい。
「…俺を頑張らせる気あるの?それ」
「うぇ…っ?!…んんぅ…っ」
やっと涼がコメントしたと思ったら、瞬間、視界が反転し涼の影に覆われる。
まさか押し倒されるとは思ってなくて、突然のことに戸惑っていると今度は唇を奪われ。予期せぬことの繰り返しで頭がパンクしそう。
「今日も煽りに煽られてお預けコース。俺そんなに忍耐力無いんだけど昴流」
「え、何かごめん…」
そして何故か責められてしまった。俺煽ったつもりもお預け?したつもりもないのに。
そんなことよりも涼今まで耐えたことあったっけとか考えてしまった。それに対してもごめん。そうだよな、耐えてるときだってあった…よな?うん、そうだ、あったあった。今思い付かないけどきっとあった。うんうん。
「ありがと天使ちゃん、嬉しいよ」
「…元気出た?」
「ふふ、勿論。…嗚呼でもこれじゃあちょっと足りないな」
「え…何処が?」
キーホルダー俺が作った訳じゃないし、商品だから欠けてるところはないと思うけど。目も2つ。鼻だってある。やっぱりどこからどう見てもエルモの被り物だ。俺エルモくらいは見たことあるから間違えないぞ。小さい頃アニメもしてたし。これで違ってたらチャイニーズレプリカじゃん。
「これが天使ちゃんなら羽が足りない。付いてなかったの?」
…嗚呼…予想の斜め上を行く回答ありがとう。急斜面過ぎて俺滑って下に落ちちゃったかな。
羽って…。そりゃあ無いわ。あったらそれこそチャイニーズレプリカ。
真顔で言ってるから本気で言ってるのか冗談で言ってるのかも分からない。
「…ないのか。真に付けてもらわないと」
俺が「ないに決まってるじゃん」みたいなことを返したら熊の背中に指でくるくると円を描きだす。どうやら本気だったらしい。凄いな、俺また新しい涼語を見つけてしまった。それとそんなことで真さんを使おうって考えるところも凄いと思う。「お前の頼みも聞いてやってんだからこん位しろよ」みたいなそんな感じのノリなんだろうか。
喧嘩良くするけど、こう言うの聞いてるとやっぱり仲が良いんだなって実感する。
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