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3日目は自由行動で、時間さえ守ってくれるなら何処に行くかも自由。
愁と琉生とで話した結果、折角だから大阪の食べ物の食べ歩きをしようってことになって道頓堀に来た。あの、あれだ。グリコで有名なところ。
「たこ焼き!!たこ焼き食べてい?」
「今持ってるの食べてからな」
「ふぁい」
あれやこれやと全部食べ終わる前に次の食べ物へ。食べ歩きを満喫してる愁は中学の修学旅行同様にはぐれてしまいそうで危なっかしく、はぐれないように愁を見守っている琉生お母さん。
「ルウちゃん、あーん」
琉生お母さんの言うことを聞いて食べてたものを完食してからるんるんでたこ焼きを買ってきた愁。爪楊枝に刺したそれに息を吹き掛けて冷ましたら俺の口元に運んできた。
「おいし?」
「…ん」
たこ焼きなんて家に作るものもないし、かと言って地元でそんな店を見たこともなくて、俺が覚えてない頃をカウントしなければ初めて食べるたこ焼き。
出来立てなのかまだちょっと熱いけど、柔らかくて、本当に入ってるらしいたこはコリコリとしていて美味しい。たこ焼きって作るの楽しそうだよなぁ。くるって。くるってすんの。やってみたい。
「次はー…あっお好み焼き!」
「お前手が止まらないな」
「お菓子もある…。どっちも捨てがたい…。……俺ちょっと両方買ってー…」
「食べ物は逃げねぇから1つずつにしろ」
「売り切れる可能性は…」
「まだ昼前なんだからねぇよ」
「ふぁい…」
たこ焼きがなくなったら次の店に目が移る。ここでもまた琉生がお母さんを発揮。放っておいたら一気に10店舗位から食べ物を買ってきそうな愁に軽くげんこつを入れた。
頭を両手で擦る愁はどうやら先にお好み焼きを選んだようで、その店の方に向かう。
その背中はとても楽しそうだ。中学の時よりもずっと明るい。愁が楽しそうにしてるのを見てるとこっちまでそれをもらって胸が温かくなる。あれだな、愁を見てるだけでお腹一杯?この変化は桂木さんのお陰なのかな。多分、俺だけじゃあできなかった。
…あ、桂木さんと言ったら"あれ"どうするんだろう。
「愁桂木さんにお土産買ったの?」
「……は?」
ふと気になってしまって戻ってきた愁に聞くと、進んでいた箸が止まり、ぽとりと器の中にお好み焼きが落ちる。
愁、行く前は自分用のお菓子だけ買う…みたいなこと言ってたけど、俺が見た限りじゃあ愁が好きそうにないお菓子も買ってたりしてたからちゃんとお土産も買ってると思ってそう聞いてみたんだけど愁はあまり触れて欲しくなかったのか「あー」とか「うん」とか言って言葉を濁してる。
「……数余ったりあんま好みじゃない味だったら押し付けるから買わない」
「昴流、こいつユニバの時同じの2個買ってたから多分それ桂木さんの」
「か…っってねぇし…!」
「…俺はスヌーピー2つ買ってるように見えたんだけどなぁ」
「買ってねぇし」
「えぇ…」
琉生が見たって言うんだから買ってるんだろうけど、頑なに認めようとしない愁。ユニバの荷物見たら分かることなのに意味のない嘘をつくなんて珍しい。
これがあれなのかな。真さんが言ってた『つんでれもえ』って奴。ツンデレって言葉くらい俺にも分かる。言葉通りでつーんってしてると思ったらデレることだろ?うん、こんくらいならいける。使いはしないけど。
そんでその『ツンデレ』はツンツンしてる時は大体素直になれないときで真逆のこと言ってることが多いって真さんから聞いた。
…てことは愁は見かけは嘘をついてるけどある意味本当のことを言ってるってこと…?てことはスヌーピーは買ってるってことか??うーん、心理ゲームみたいになってきた。
「愁スヌーピー好きなの?」
「ルウちゃんまでぇ…」
この愁は新鮮だから俺も2人の会話の和に乱入。
荷物見たいとか、どんなの買ったの?とか琉生と聞いていたら「もうやだお前ら」って逃げられてしまった。質問責めしすぎたみたい、ごめん愁。
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