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「かぁわいルウちゃん。渡したと思う?」
「……愁は『つんでれもえ』だから渡した…?」
「えっ」
「つんでれ」
逆に可愛い反応をする昴流に質問し返したら思いもしなかった回答が。
『つんでれもえ』。『もえ』の意味が分かってないのかすっごい片言。誰だ昴流にそんな言葉教えたの。……臣と真しかありえねぇよなぁ。後零。迎えに来てくれたとき昴流に変な知識植え付けやがって。
「ルウちゃん俺ツンデレになった記憶はないんだけど」
「つんでれ」
「ルウちゃあん…」
言い慣れない言葉を口にする昴流は可愛いけど。可愛いけど俺が昴流の中でツンデレになってるのが解せない。椿弟妹と零のせいだきっと。
否絶対。
「ルウちゃん俺そんなんじゃないから、ね?」
「真さんがそう言う人は大体そうって言ってた。愁はつんでれ」
…真、てめぇ。昴流に新しい言葉を覚えさせないでくれよ。
俺のことを「つんでれつんでれ」と何度も言う昴流。あ、言うのちょっと楽しそう。あれか。俺が否定してるから日頃の意地悪の仕返しに言ってやれって思ってるんだろうなぁ。それは可愛いから許す。
「昴流先からツンデレって何度も言ってるけどどうしたんだ?」
そこに教師と話していた琉生が戻ってきて話に入る。昴流はそう聞かれて「愁つんでれ」って答えた。それに納得したのか琉生は小さく頷いた。
「あー…、そう言うことな。何となく分かった。すっげぇ片言だから何事かと思った」
「…む?」
「ほらツンデレって言ってみて」
「…?つんでれ」
「普段使わない言葉ってのが滲み出てるなぁ…」
ちゃんと言えてると思ってるらしい昴流は何言ってるんだって顔で言われた通りその単語を口にする。昴流には悪いけどやっぱりぎこちない。
琉生に何で俺がツンデレって説明で納得できたと突っ込みたいところではあるが昴流が可愛いからもうツンデレでも何デレでも良い。
「ルウちゃん、ほらもう1回ツンデレって言ってみて」
「…つんでれ」
「かぁわい。…いてっ」
どう聞いても片言で、慣れてないのが丸出しな昴流に笑ってしまったら頬を抓られる。からかわれたと思ったらしく、昴流はむっすりしてしまった。他にもいろんな言葉言わしてみたいけど口聞いてくれなくなりそうだから止めとこ。
「……愁ちゃんとお土産渡せたの」
もう一度改めて聞かれたその質問。もうツンデレとは言ってくれないらしい。俺がツンデレってのは認めないけどもっと聞いても良いと思ってたのに残念。
「ひーみつ。どっちだと思う?あ、ルウちゃんは椿にご褒美どうしたの?」
「…~っ、ばか!!」
「あ、おい昴流…!」
前と同じで逆に聞き返してついでに話を逸らす。そうしたら昴流の顔が林檎みたいになって、昼御飯が入ってるのであろう鞄を持って逃げるように教室を出ていってしまった。
この反応からしてデートとかそう言うのじゃなくてあっちの方向のを変態に強請られたんだろうなぁと思いながら、内容を尋ねたら頬っぺを膨らませてしまう。
「愁が答えないから言う必要ない」って言われてしまい昴流の歩く速度がどんどん速くなっていく。
この後昴流に謝り正直に昴流の質問に答えたのは言うまでもない。
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