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兄貴のほっぺをぷにぷにしてみても返事がない。その代わりに肩は小刻みに震えてる。嘘…っぽくはない。
え、泣いてる…のか…?
「あにき…その…ごめんね…?俺兄貴のこと大好きだから…」
「…っクク…」
「うぇ…っ?」
「ふは…、はは…っ、もう昴流可愛すぎ。俺も大好きハニーちゃん」
肩が震える兄貴から、抑えきれなかったような笑いが零れる。何で笑われたのか分からない俺は兄貴が急に笑い出したことに混乱を隠せない。兄貴に抱きつかれてもぽかん。泣いてたんじゃないの?え、どう言うこと?
「あ、の…兄貴…?」
「んー…?」
「泣いてたんじゃないの…?」
「えっ、俺が?何で?ハニーちゃんに大嫌いって言われない限り泣かない流星ちゃんよ?」
「でも…肩震えてたから…」
「笑い堪えてた」
「え」
「俺の体つんつんしてしょんぼりしてる昴流が可愛くて。なんつーの?子犬に構ってって言われてるみたいで」
「な…っ?!」
兄貴の言葉を整理すると、下手糞な泣き真似をした後はどうやら俺の言動にただ笑いを堪えていただけだったらしい。無反応だったのも笑いそうになったから。肩が震えていたのは今にも噴き出してしまいそうだったから。
…紛らわしい。俺本当にどうしようって思ったのに。
「あ、ほっぺ膨らました。…ごめんな?」
「…知らない。兄貴の馬鹿」
「はにぃちゃぁん…」
ややこしいことをしてきた兄貴にそっぽを向いたら今度は兄貴が俺の肩を揺さぶって謝ってした。仕返ししてやりたいから暫くこのままだ。
でも俺は兄貴みたいに意地悪じゃないから兄貴がちっちゃいわんこみたいになってしまったところで許してあげた。
「…で、本当のところは?」
「ちょっと上に聞いてみないと分かんねぇかな」
「そっか」
話がずれてしまったから話題を戻して。
もう一度同じことを質問したら今度は真面目に答えてくれた。いつが空いてるとか、予定が詰まってるとか、今の段階では分からないらしい。締め切りは来週位だったから、返事を出すのはゆっくりで構わない。
「この話はまた明日。締切までには答え出すから。…それにしてもさ、俺思ったんだけど担任椿先生なんだよなぁ…」
「…?うん」
「何かさ、普段の椿先生知ってんのに教師の椿先生と話すって面白くない?俺面談で笑うかも」
「あ…」
兄貴に言われるまでそんなこと考えもしなかった。でも、兄貴の言う通り知り合いなのに教員として改めて俺のことを兄貴に伝えるのって違和感。俺と涼が学校でやってるやり取りとは違ってくるしなぁ…。だってあれは俺ら楽しんでやってるし…。
「彗とかいたら最高じゃね?同級生、しかも友人なのに他人行儀。それ最早漫才だろ」
「…っ、ふ…」
それは、酷い。想像して思わず噴き出してしまった。
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