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某日。朝から俺の教室にて、俺に頭を下げてきたその人。何故か神を拝むような手の合わせ方をしながら、だ。一緒に来た桐華さんは呆れて溜息を吐いてる。
「昴流様この度は誠にありがとうございました」
「……えっと」
しかも、一言目がこれ。お供え物貰えそうな勢いで目の前にいる男、水瀬さんに感謝の言葉を述べられる。…俺何かの神様?非公認の宗教かなぁ…なんて。
「粗品ですがどうぞ受け取ってください」
「えっ…ありが、と…?」
さっと水瀬さんに渡された、箱が入った袋。中身は包装紙で分からないけど、水瀬さんが言うにはお菓子の詰め合わせらしい。どうしよう俺本当にお供え物もらっちゃった…。
「水瀬さん、その…急にどうしたの…?」
俺は水瀬さんの神になった覚えも、かといって仏様になった覚えもない。つか仏って俺それ死んでるし。一体何が、どうしたのか。俺にはさっぱりだ。
「昴流神様のお陰でこの度志望校に合格致しました」
「へ…?」
「おー、おめでとうございます」
「ギリギリね。面接と他の科目の助けもあってギリッギリね」
「そんなん知らされてねぇから分かんねぇだろ?!」
「絶対そうよ。自己採点英語何点だっけ?」
「……102点でございます」
「ほら見なさい」
思いがけない報告に水瀬に拍手を送ってる琉生の隣でフリーズ。10秒くらい遅れてやっと頭の中で『合格』って文字と意味が繋がった。
「受かったの?」
「おん、わんころのお陰。マジでサンキュ助かった」
「ギリギリよ?本当に」
「桐華俺いじめて楽しい?」
「反応が面白い」
「ひでぇ?!」
水瀬さん、桐華さんに「無謀」って言われてたけどちゃんと第一志望に受かったみたい。良かった。センターも5割の壁をギリギリ、本当にギリギリ。凄いギリギリで越してるけど難しかったって言ってたし、他の受験者もそう点数はとれてないはず。それに合格であることにかわりない。きっと他の科目で挽回したのだろう。
「お疲れ様。おめでと」
桐華さんに弄られてしゅんってしてる水瀬さんの頭をポンポンって撫で…ようと思ったんだけど水瀬さんの背が高すぎて届かなかったから撫でるのは止めた。
また今度何かお祝いあげようかな。フルーツが好きって言ってたからアップルパイとか?
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