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もっと言えば兄貴はビュイッグ。父さんはポルシェ。そう、ポルシェ。 外車では圧倒的人気を誇るジャーマニー。…そりゃあ目立つわな、としかコメントのしようがない。しかも、しかもだ。黒塗車って。どう見たってそう言う人達の…否別に?父さんの趣味が悪いって言ってる訳じゃないぞ。まぁあれはポルシェじゃなくてベンツだし??うんうん。
俺が中学の時は灰色の車だったのになぁ。なんの車だったかは良く見てないし覚えてないけど多分、同じポルシェだったんだろう。父さんの車見てたら隣に誰も止めてないのは仕方ないなって思う。外車ってのもあるけど、こんな威圧感のある面構えした車だとなぁ…。
兄貴が外車選んでんの父さんの影響だ。左運転を見慣れてたらそりゃあ必然的に自分も左運転になるよな。何でアメ車にしたかは意味分かんないけど。
後2人に共通してること……は、元不良?父さんは兄貴情報だから半信半疑ではあるけれども。元ヤンの人って国産車じゃなくて外車選ぶ傾向にでもあるのかな…。
…あれ、ちょっと待て。2人の車のインパクトがでかすぎて忘れていた。
「兄さんの、は…?」
そう、兄さんの。2人のはあるけど兄さんのはない。空いてなかったから他のところに止めてる、とか?…まさか兄さんも外車なんじゃ…。
「俺は普通だしそもそも今日は親父の車に乗ってきたから病院においてある」
「えっ、あ…そう…」
何だろう、この普通って聞いたときの異様な程の安心感。
「つか左車線で左ハンドルとか危ねぇだろ」
「…だよね」
普通のことをいってる筈なのに感動した。だよね、そうだよね。外車…って言うか左ハンドルに違和感もつのが当たり前だよね。2人のせいで右左が分からなくなるところだった。危ない。
「…あれ、お前良く考えたら帰んの馬鹿のチンピラ車?」
「えっ、あ、うん…兄貴に送ってもらう…?」
兄貴車できてんだから、まぁそうだろう。
…正直に言えば歩いて帰りたいけど。だって怖いし。ゆっくり走ってくれたら問題ないんだけどね。
「…だよな、俺もあれには恐怖を覚えた」
「それが普通だよね」
兄貴の車が怖いって言ったら兄さんがうんうんって頷いてくれた。ここで「怖くねぇだろ」とか言われたらどうしようかと思った。
これが普通だよな。笑ってた琉生が変なだけだよね。何度考えても理解できない。何で琉生はあれで笑っていられるんだ?あれか、遊園地の帰りだったからか。そんなとこで肝据わってなくて良い。あれが怖くないのに不良は怖いってどう言うことだよ。それが一番のミステリーだ。
「ここにいたら普通の定義が迷子になるわ。…昴流の為だから言っとくけど親父の車にも乗るなよ」
「えっ」
「…車に関しては好きな車種以外はあの馬鹿のは親父の遺伝だとだけ言っとく。それ以上は語れない。語りきれない」
続けて「だから俺が親父の車で運転してきたんだけどな」と言われて完全に察した。
父さんからそんな危ない雰囲気…?しないのにまさかそんな、と半信半疑で父さんにチラチラッ、って目が行ってしまう。
兄さんの言うことだから嘘ではない筈だが、にわかに信じがたい。
…まぁ世の中には知らない方が幸せなこともある。愚かなチャレンジ精神は捨てて兄さんの言う通り父さんと2人きりのときに車を乗るのはやめておこう。
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