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でも、俺らが部活に来たら舞那ちゃんがマネージャーに来る前まではいつも最初に声かけてくれた。体育祭の時とか涼に琉生と愁曰『俺の可愛い写真が撮りたいから』って理由でリレーのアンカー、しかも400mに選ばれ、そこでも何だかんだで桐華さん俺がそれの練習に来たら毎回見ててくれたし。…桂木さんを連想させる小動物相手のような接し方をされるのはもう慣れたな。
自分にも他人にも厳しい人だけど、優しい人で。後それからクリスマスの時ちょっと乙女なところも見せて可愛いところもあり。
思い返してみると桐華さんにはかなり、舞那ちゃんが言う通りお世話になったな。
渡すもの…。何が良いかなぁ。
「…くま」
「否それは先輩が好きなやつ」
俺がもらって嬉しいの言ったら即却下されてしまった。…うん、分かってた。
「煙草」
「それは一番ないですね」
愁も即却下。煙草ってお前俺が涼の誕生日プレゼント悩んでて聞いたときもそう言ってたじゃん。
「だって桐華が好きなのわかんねぇし…もう彼氏にリボンつけとけば良くない?」
「…あの桐華先輩が喜ぶと思います?」
「冷めきった目で見てくるだろうね」
「でしょうね」
「水瀬さんにリボン…」
本来そう言うのって彼女さんがするイメージがある中で、逆をチョイス。水瀬さんって琉生と同じバスケ部だし、体格は良いよな絶対。筋肉ついててタッパもある人のリボン姿…は酷いな。最早漫才だ。確かに桐華さんがそんな目を向けてくるのは目に見えてるし、そもそも卒業式でやれそうな空気ではない。
「つーかさぁ、そんなん女のことなんだからちーの方が分かるでしょ」
激しく同意。俺もこれは舞那ちゃんの方が適任だと思う。女の人が好きなのって俺も分かんねぇもん。
桐華さん俺らを小動物みたく接してくるから小動物好きなのかなぁ、とか本当にそのレベル。それ以外の細かいことは分からない。
「そうですねー…桐華さんって結構お洒落好きですよね。あと可愛いのも好き」
「…そうなの?ルウちゃん」
「……女の人のお洒落は分からない」
「いやいや、髪留め良く変わってるじゃないですか」
「あー…」
「えー…そんなに変わってたっけ…」
お洒落さんだと言うほどに桐華さんがお洒落してるところを見てきてないから、可愛いもの好きは何となく分かるとして、お洒落さんなのがピンと来ず2人して首をかしげる。
舞那ちゃんに言われ、そう言えば桐華さん髪留めが部活行ったら前と違うときが多かった…ような気もしなくはない。愁は基本週一、来ない週もあるせいでそれもピンと来ないみたいだけど。愁俺よりもそう言うのは気づけるもんな。今回気付けれてないことでどれだけ部活に参加してこなかったが手に取るように分かる。…まぁ、忙しいんだろうしそこは仕方ない。
「桐華の髪ってこんくらいだよな」
「そう、そのくらいです」
愁が桐華さんの髪の長さを思い出しながら胸よりちょっと下辺りで手で線を作る。桐華さんの髪の長さの確認をとったら今度は何かを考えだした。
舞那ちゃんの方が決めるのは合ってると言いながらも結局は全部投げ出さず、全く考えてないようで考えてる。
「オーケー。イメージできた」
「え、急にどうしたんですか」
「あくまで俺の案な。まぁ俺にあるもんなんて"それしかねぇ"しな」
そう、前置きされてからの愁の提案。それは愁だからこそ思い付きそうなもので、面白そうと言う舞那ちゃんの感想と一緒に採用の判子を押された。
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