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その後は、愁がバイトの時間になるまで一緒にいた。それまでに愁への気持ちがどれだけのものかちゃんと伝えきった。途中から愁そっぽ向いちゃったけど俺は言ったからもう好かれるようなところがないとか、そんなこと聞いてないとかは無しだ。
その日は卒業式以外に予定がなかったから家に直ぐ帰った。家でゆっくりした翌日は涼に来れたら来て欲しいって頼まれたから涼の家に行くことに。
行ったんだけど、
「りょお…?」
「涼は瀕死状態」
「えー…」
涼は疲弊しきり屍と化していて、玄関を開けるなり抱きつかれ、現在玄関で立ち往生。
「涼どうしたの」
今にも崩れ落ちそうな涼の頭をぽんぽんって撫でて事の原因を聞いてみる。嫌なことがあったんだろうか。昨日は卒業式で、式と言えば教頭が五月蝿いって言ってたしそれ関係だろうか。後は…何か悩みがあるとか?涼も意味が分からないことはよく言うけど、真面目な悩みってあんまり人に話そうとしないよな。と言うか涼は自分の話をしたがらないって言った方が正しいか。…あ、でも今みたいに甘えてはくれる。何か気に入らないことがあったり、疲れたりしたときは決まってそうだ。
「やっと椿涼は労働から解放された」
「えっ」
解放された…?解放って、えっ。首切られた…ら涼のことだからこうならずに開口一番に文句だよな。
「聞いて昴流」
「あ、うん」
俺が答えを見つけれないまま始まった涼の愚痴。
受験シーズンになると毎年やれ化学だやれ数学た、やれ古文だ。はたまた英語だと解説を求める生徒が押し寄せてくるらしい。何故か化学担当だって言ってるのに他科目も質問に来るって愚痴も追加。
「やっと3年から解放されたって感じ。あいつらのために俺が何時間時間を費やしてやったか」
「お疲れ様…?」
要約すれば、めっちゃ疲れた。そりゃあ普通一科目だけのところを何科目も教えたわけだし疲れるわな。
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