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涼が起きた後は涼と晩御飯作った。それを食べて、んで風呂にも入った。スーツもアイロンがけおわったし、もう寝るだけだ。
寝るだけな筈なんだけど…。
「りょ…、何これ」
「ん?押し倒してる」
「いやいやいや……」
俺の質問に語尾にハートがつきそうな声で答える、何故か俺を寝ようとしていた筈のベットに押し倒してるその人。
さらりと「押し倒してる」って言ってんじゃねぇよ。俺はその、押し倒されてる理由が分からないわ。
「風呂に入った辺りからムラムラしてたからしよう?」
「いやいやいや…」
そうでもない。それも求めてた答えと違うぞ涼。俺が言いたいのは
「何でえっちする雰囲気になってんの…?」
だ。
言葉を付け足すと、疲労で昼間ずっと寝てた人間と、何でそんな雰囲気になってんだ、だ。
このまま寝て、明日すっきりして朝を迎えたら良いのに、何で自分から疲れが溜まる方向に行こうとするんだ。
「今日は寝よ…?来週も俺来るんだから…」
「1ヶ月くらいご無沙汰なんだけど」
「でも涼え、えっちな触り方は一杯してた…!!」
修学旅行ではキスされて、腰砕けて、その場面を見られ危なくなって。それ以外にも涼、2人きりになったら毎回といって良いほど首とか太股とか胸とかお腹とか…股間…とか。色んなとこ触ってきた。最後まではしてないのは俺も認めるけど、まるで旅行以来俺とシてないみたいに言うな、馬鹿。というか全部お前が始まりだ馬鹿。
「兎に角駄目なものは駄目…!」
「…昴流は俺とすんの嫌?」
「えっ」
「嫌なの?」
迫ってくる涼の体を押し返し、今日は寝ようと諭すのを試みる。が、そこで涼にそんなことを聞かれてしまって言葉がつまってしまった。
ずるい。そんな風に言われたら俺、駄目って言いづらくなる。涼とのセックスが嫌かって聞かれた後で駄目って、それって嫌ってニュアンスに近いように聞こえてもおかしくないから。
涼とするのは嫌じゃない。でも、涼に体を大切にしてほしいのも本当。だから余計に返事に困る。ここで素直に答えたら最後までするのは確定したも同然になってしまう。
明日、と言うか今週。涼の体の負担にならないようなベストな答えはどれだろう。
「…したくない?」
「~…っ!」
俺が返答に悩んでいると、上からしょんぼりとした声が聞こえてきた。
涼はふてぶてしく見えて繊細で、俺が嫌がることをしようとしない。俺は例え涼が「シたい」とか、「今からする」とか。そんなこと言わずに強引に抱いてきたとしても受け入れるだろうけど、そんなことはしない。どんなに余裕がなくたって俺のことを気にかけて、無理そうならストッパーをかけようとする。俺は涼の好きなようにしてくれて良いって言ってんのに、涼は必ず涼のペースになるときは俺に一言言うくらいだし。
悪く言えば怖がりな人だ。俺に嫌がられたくない、怖がられたくない。何ともないように振る舞ってはいるけれど、多分涼は無意識に昔のこと…俺以外の人としたセックスを気にしてしまってる。
変態で、ドS。俺には到底理解できそうにない性癖もあるが、それならそれを貫いたって俺はありのままの涼が好きなんだから1回のえっちくらいで嫌いになることなんてないのに、最終的にはなりきれない。意地悪だけど、臆病で優しい人。
まぁ、そんなところが可愛くて、大好きだから俺も俺で涼に甘くなってしまうって自覚はある。
「…涼が眠たそうにしてたらそこで止めるからな」
「…ふふ、ありがと」
俺が折れて条件付きで許可しただけで嬉しそうに顔を綻ばせる。嗚呼、ほらもう。そんな顔されるから俺も俺で、涼に厳しくなり通せない。
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