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次の試合までは自由時間兼休憩時間らしくて、周りも自主練するか、遊ぶかって感じで俺が予想していた合宿とは少し違った。試合終わったら反省して練習してまた試合。…みたいな、そんなのを俺は思い描いてたんだけど、そこまでハードではなかったようで。
「すーばる。そこのテープと鋏取って」
「…?これ?」
「そ、サンキュ」
ストレッチを終わらせると、琉生が俺の近くにあったベージュのテープを指さしたので、それを渡す。これ、あれだ。テーピングってのに使う奴だ。見たことある。桐華さんが捻挫した人にしてた。テーピングって補強のためにもするけど、痛めてるところを"固定する"ってイメージが俺には強くて。…え、琉生怪我してんの?
「琉生体大丈夫?」
「テーピングって足首?捻挫?」
「大丈夫大丈夫。痛めやすいから補強してるだけ」
「そう…?」
怪我はしてないようで安心。
シャツを脱いだ琉生の肩には俺が渡したのと同じテープが貼られていて、良くみたら膝にもされている。つか、足は至るところにテーピング。それと指にもされてる。ボール投げたり、跳んだりするから色んな所に負担かかるんだろうな。それから連続で猛練習だったんだんだら余計にだよな。
…にしてもまぁ、何度見ても腹立つなぁ。何この筋肉。俺頑張って筋トレしてもこうなったことなんて一度もないのに。喧嘩売られてんのかな。むかつく。
「いてて…っ昴流何何…?!」
「筋肉もぎ取ってやろうかと…」
「本当この子たまに怖いこと言うな」
思わずお腹をつねってしまった。肉は筋肉のせいで摘まめなかった。もぎ取ってやろうと思ったのに摘まめないなんて。残念だ。
「でも実際琉生ちゃん筋肉凄くない?高校生でこんなにある人見たことないわ~」
「ン…、ふは…擽ってぇ…っ」
臣が感心しながら琉生の体をペタペタと触る。ビクリ、と琉生の体が揺れ、それにつられて筋肉が一瞬浮き上がる。それに腹が立ったから俺も臣と一緒になって触ってやる。擽ったいならずっと笑って腹筋を苦しめておけ。馬鹿。
「ばっ…か…、っふ、止めろって、もー…」
「…あ」
琉生に臣と一緒になって攻撃していたら、琉生が立ち上がって俺らと距離をおいてしまった。逃げられた。残念。
でかい琉生が逃げてしまったらもう捕まえようがない。近づいてもすぐ身長に比例して長い脚で間合いをとられる。
「テーピングさせろってお前らは…」
俺らが諦めると琉生が苦笑しながらまた床に座り、体に貼られたそれを剥がしていく。流石に俺だって鬼じゃないから、例え筋肉にムカついても何かしてるときに邪魔はしない。終わってからの保証はないが。
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