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「ハニーちゃん、朝だよ~」
「んー…っ?」
兄貴のその声かけと、ぷにぷにって頬をつつく指で目を覚ました。
目を開けたら兄貴がすぐ目の前に。んで真上に。兄貴の影の中にいるからか朝だと言われてもまだ早朝のように暗い。
「すーばる?」
「ふにぇ…」
「ふふ…、おはよ」
起きても瞼を開閉するだけで動く素振りを見せずただぼーっとしていると、俺の頬をびろーんって伸ばされた。それが少し痛くて動くから離してくれと言う意を込めて頭を振る。そうしたら兄貴にクスクスと笑われ、額にキスをされ視界が明るくなった。
もそもそと起き上がり辺りを見渡すともう兄さんと父さんは起きたらしく隣にはいなかった。代わりに台所の方で珈琲の匂い。そちらの方に行き見てみると、父さんがキッチンにもたれて珈琲を飲んでいた。
「…ん?…おはよう昴流」
「おはよ」
それに気づいた父さんに声をかけられる。兄さんはいないけど……洗面所とかかな。
「コーヒーはブラックで良いですか?」
「ん」
「あっ俺はミルクと砂糖多め」
「牛乳ありましたかねぇ…」
飲んでいた珈琲を置いて珈琲が入っているサーバーを手に取り食器棚から取り出したカップに注ぐ。兄貴からの注文で冷蔵庫と棚からミルクと砂糖を取り出して。「あったか覚えてない」と言っておきながらコップに注いだ珈琲の量はちゃんとミルクの分も空けてるんだから兄貴の好みは長く一緒に暮らしてなくても覚えているらしい。いつもは意地悪されてるけど。
「朝御飯はパンで良いですか?」
「食パン?」
「いえ、昨日色々な種類を買っていただいているので何種類かありますよ」
そう言って父さんはバスケットに入ったビニール袋に1つ1つ包まれたパンを見せてくれた。メロンパン、クロワッサン、パイ。定番のものからタルト状の見たことないものもあった。
「俺チョコクロワッサン」
「じゃあ俺このタルトみたいなやつ」
「これですか?どうぞ」
父さんからパンを受け取って、半分だけ袋から出してかぶり付く。味は…プリン?あ、プリンだこれ。パンにプリンってイメージしたことなかったけど、美味しいかも。甘さは控えめで俺でも食べやすい。
「…嗚呼、昴流起きたんだな。おはよう」
「あ…、おはよ」
もっもっと新しい味を味わっている時、ずっと姿がなかった兄さんがペタペタとスリッパがフローリングに引っ付いたり、擦れたりする音を鳴らして現れた。
上半身は何も纏ってなく、肩にはタオルがかけられてる。髪の毛は少し濡れてて、見たまんま、風呂上がりってところだろう。
「…服着ないと湯冷めするよ?」
「ん…、」
室温差でもう既に冷えてそうな兄さんの体を触ってみる。触った感じ温かいっちゃあ温かいが風呂に入った直後よりは冷えてる気がする。このままじゃあ折角風呂に入ったのに入る前よりも体が冷えてしまいそうだ。兄貴も季節関係なしで風呂出た後は服を着てくれない。下着だけでいるときが多い兄貴と比べたら、まだ下は着てるからましだけど、俺からしてみたらこんなの夏以外にするような格好じゃない。夏なら分かる。俺だって猛暑日の風呂上がりはたまに暑いなって思って脱ぐことあるから。
あれかなぁ、服着ないのも遺伝なのかなぁ…。
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