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「お願い昴流。昴流で癒されたい」
俺がお強請りにうんともすんとも言わなかったら眉を下げてもう一度。もうこれ俺がその顔に弱いってバレてるんだろうか。この顔をされたら断りづらくなって、いつもいつも涼のお強請りを叶えてしまう。
「馬鹿言ってんじゃねぇよ。終わったんなら退室しろ。ここはお前の休憩所じゃねぇ」
「…って」
今回も涼のお強請りに惑わされていると、兄さんの拳骨が涼へと迷いなく命中。うわ、痛そう。
「俺はまだ次があんだよ」
「数分なら構わねぇだろ」
「お前はその数分を守れてから言え」
お、おお…またしても兄さんの説教が。凄いなぁ。俺は涼に負けちゃうのに、兄さんは全く退く気配がない。…涼が言ってたけどお母さん?みたいだ。涼のお母さん。
「てことで昴流こいつこっから追い出すのよろしく」
「え、俺?」
「俺がしたらこの良い歳した餓鬼がぐずりそうだから」
「ぐずらねぇよ。ただこの後の時間が憂鬱になるくらいで」
「それをそう言うんだよ」
…思ってた以上に深刻な話?俺って涼のエネルギー補給源だったの?否、なんか前もそう言うこと言われてた記憶はあるんだけど、それマジだったのか。
仕方ないからちょっとだけ涼の言うこと聞いてあげるかぁ。ちょっと、本当にちょっとだ。俺からするなら大丈夫…だよな?
「涼俺先に出るから後から出てね」
「…っ、?」
1日1回は必ずされるお強請り。案外涼は甘えたがりだ。その顔を俺にしか見せないと思うと気分が良い。
だから、本当の本当にちょっとの間だけ後ろから抱き締めてあげることにした。そうしたら兄さんが懸念したちょっとがちょっとじゃなくなることもないだろ?
「仕事頑張ってね涼」
「…ふふ、うん。頑張れそう」
体を離して顔を覗いたらほわんって嬉しそうな顔。この顔が見れるって分かってるから涼に甘くなっちゃうのもあるのかも?
「兄さんも頑張って」
「嗚呼、ありがとな」
涼が元気になったのを確認したところで兄さんに手をひらひらと振って、保健室の扉に手をかけた。涼が一緒に戻りたそうだったけどそれは目立つから申し訳ないけど却下。この続きはまた放課後。
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