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朝生田がいなくなってからもむっすーとしている愁。人1人殺してしまいそうだ。割とマジで。
「しゅーう。朝生田もうクラスに戻ったぞ」
「…嗚呼」
愁の頭をぽふぽふと撫でて、愁が嫌いなその存在がここからいなくなったことを伝えるも生返事。心ここにあらず。本当にこれキレてるな。
涼にキレてた時は学校では抑えてくれてたから良かったものの、学校でこうなっちまったらなにするか分かったものじゃない。また熱が冷めないうちに朝生田とすれ違いでもしたら…軽く乱闘だよなぁ、多分。
こう言うのって怒りが収まるまで放っておくのが一番なんだけど、学校では不味いからなんか、愁の怒りが鎮まる方法ってないかな。…ねぇよな。
愁って一度キレたら中々そこから離れられねぇタイプだし。そもそも、あまり他人に興味を示さない人間がキレてる、って時点で結構なことだもんなぁ。
「琉生俺屋上行ってくる」
「今から?」
「英語だし大丈夫」
俺は出席日数足りてるし、英語で不自由はないから1時間、誰もいないところにいさせるのが得策だろうと考えて立ち上がった。ほら、ないとは思うけど教師が話しかけてきてそれに愁がぷっつんっていくかもしれないし?今の愁にはどんな風に話しかけても挑発しているようにしか聞こえないだろう。ある意味で、"地雷"だな。
琉生は英語やばいから残ってもらうことにして。俺の判断のせいで琉生に迷惑はかけたくない。
「保健室行ったとか誤魔化しとくから何かあったら連絡して」
「嗚呼、ごめんお願い。…ほら愁、屋上いこ?」
愁の腕を引っ張って立ち上がらせると屋上へ向かう。鍵は愁に開けてもらい中にはいると内側から誰も入ってこないように鍵を閉めて2人だけの空間を作った。
人が多いとこじゃないここなら、愁も落ち着いてくれるはずだ。
煙草をふかす愁の隣に座って、愁から話し掛けてくれるのを空を眺めて待つ。愁の意識を朝生田から離せれば良いんだけど、こればかりは愁の性格的なものもあるし、急かせても逆効果だ。
煙草が1つ、また1つ。床に擦り付けられ落とされる。無言でいるとそれとライターの音が屋上に良く響いた。
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