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「赤色のわかめ…なぁ」
「お前んとこ案外優等生以外もいるよな」
「赤色は変わりすぎだけどな」
場所は優さんの店。最近変わりはなかったかと言う話題にこれまでの話の流れでなり、大きく学校での生活が変わった原因であるそいつの話に必然的になった。
それを聞いていた優さんと幸仁さんは仲良く「変わった奴が来たな」と同じ感想を述べた。
「優等生高校なのに赤わかめで校則は無視。誰にでもフレンドリーな喋り方。常に笑ってて腹の底が見えない奴」
「濃いなそいつ」
確かに、文章にするとキャラは濃い。警戒しろって愁と涼の2人から言われてそっちの方に気をとられすぎてて客観的に朝生田のこと見たことなかった。
「…んで?そいつを愁が敵視、椿さんも気を付けろって言ってる訳だ」
「はい」
「朝生田茜なー…」
2人も、愁と涼の嘘とか他人の感情とか。そう言うのに対する鋭さを知っているから2人の発言を疑いはせず、朝生田の名前を復唱している。
「名前はまぁ、ふっつーにいるような奴だな」
「"茜"と"赤"髪をかけてんのか?」
「そう考えんのが自然じゃない?」
あいつが何であんなド派手な髪色をしてんのかは分からないが、普通に考えればそうなるよな。自分の色ってことか?そうなら、自分の名前と、その色を気に入ってるってことで、だから染め直せって学校で注意されてる筈なのに直さない。それはそれで納得はできる。
「…あ、俺は忘れてたんですけど、愁が言うには高校に入ってから俺が絡まれた奴らほぼ全員赤色が共通色らしくて」
「…あー、そうだったかもしれねぇな」
「否、お前それ赤運無さすぎだろ」
赤色で思い出したその情報を2人に伝えると苦笑いされた。それは俺も思う。今回は赤運が良いことを願うばかりだ。
「そいつが、今までの奴らと関係がある可能性は?」
「んー…あってもうちの高校に入学してまで会う意味なくないですか?」
「まぁ、だよな。入学しなくても時間見計らって乗り込めばそれで済む」
そう。俺もここまで赤運がないならその可能性も疑ってはみたけどどう考えても、中学の頃のことが原因で目をつけられたにせよ態々俺や愁と同じ高校に入る意味なんてどこにもなくて。合格する保証すらない、そんなデメリットしかない面倒な賭けに出て俺らに会いにくる奴がいるだろうか。いたとしたらそいつはただの馬鹿か暇人だ。だから朝生田が今まで俺を襲ってきた奴らと繋がりがある可能性は低いと思って良いだろう。
「お前がリンチに遇ったとき10人くらいしょっぴいただろ?んで見回りも長期休み関係なしで強化することになってな。そっからは補導する奴も結構減ったんだよ。大事は最近は聞かねぇし…そう言う面からしても『今から攻撃をしかける』って宣言するみてぇにお前と愁の前に現れて喧嘩売るとは思えねぇな」
警察の目が光っている中、堂々と彼らが見れば捕まえられるような行為をする馬鹿はいない。これでほぼ朝生田に"赤色"の仲間がいる説は消えた。じゃあ実際なんで朝生田がうちの高校に入学して来たのかは分からないが。
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