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「狂ちゃん狂ちゃ~ん」
その日も相変わらずそいつはクラスへやって来た。変わっていることがあるとすれば1枚の何かの紙を持ってるんるんでいることだろうか。
「何」
愁が嫌そうな、塵を見るような目で朝生田を睨んでいる隣で用件を聞く。と、朝生田は「甘いの食べれる?」と俺に聞いてきた。
「甘いのは、食べれるけどちょっと苦手」
「え、そうなの?んー…まぁ多分そこまで甘すぎねぇと思うからさ!ね、これ行こ?俺1人で行くのには躊躇いがあってさー…」
ばばん、と俺の机に広げられた紙。それには今日の日付と『OPEN』って文字がでかく書かれている。背景の写真はちょっと変わった、可愛らしいデザインのケーキ。察するにケーキ屋が今日新しく出来たってことか?
「ルイルイと悪魔さんも来る?」
「行く訳ねぇだろ」
「俺は部活あるから無理かなぁ」
朝生田は2人を誘うも愁は毒を吐き捨て、琉生は柔らかく拒否。俺は…幸仁さんと優さんに2人きりにならないようにって言われてるからどうしようかなぁ…。バイト今日ないし行くのは良いんだけれども…。
「同級生誘えば良いのに」
「だって俺が可愛いの好きなの言ってねぇもん。狂ちゃん熊好きじゃぁん…。ね、お願い」
「えー…」
とりあえず、朝生田が可愛いもの目当てで行きたいってのは分かった。それは理解した。きっとこれに嘘はない。これが嘘なら良くできてる。信じてやらないこともないが…警戒しろって言われたすぐ後で2人きりになんのはなぁ…。隣から「絶対行くなよ」って圧力かかってきてんし…。
「きょーちゃーん!お願い。ほんとお願い。兎のショートケーキが食べたいんだよー…うさぎさぁん…」
「俺は別に兎はそこまで好きって訳じゃ…」
「熊のチョコケーキもあるみたいだからさー…」
「熊…」
あ、少し興味湧いた。プラスで朝生田が写真も見せてきて、プチケーキが熊の顔に可愛らしくデザインされたそれに行くって返事をしそうになった。
「昴流行くのか…?」
「ルウちゃん??」
「…う」
そうしたら、両隣から声をかけられて。分かってるし。2人きりにはならない。…分かってはいるんだけど気になってしまって写真とにらめっこ。
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