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その日は朝生田の謎は晴れることはないまま朝生田と別れた。小一時間朝生田と話したのに、こいつの人物像が見えてこなかったどころか分からないとこが増したのはどうしてなんだろう。普通逆なんじゃないのか。
…とか、考えれてた昨日の俺はまぁ、幸せな奴だったんだと思う。
「すーばーる。俺に説明、できるよな?」
現在涼の家にて、向き合って座らされ、大魔王様に昨日のことで説教を受けている。朝生田と2人で行くのはマジでまずった。
「店行きたいって言うから…」
「俺はケーキにつられてって聞いたけど?」
「う…それも、あるけど…」
熊が可愛かったのは認める。あれがなければ多分断ってたことも。でも、でもさ。言い訳させて。
「俺、今回のは朝生田と2人きりでも大丈夫だと思って…」
「俺、警戒しろって言ったよな?お前はすぐそうやってのほほーんとしやがって」
「のほ…っ?!」
今聞き捨てならない単語を聞いたぞ。俺は別にのほほーんとはしてない。ちゃんと考えた上で大丈夫だと判断したのであって…。
「…ん?間違ったこと言った?」
…と反論しようとしたら黒い笑みで先手を打たれてしまった。はい、何でもないです。涼が正しいです。警戒が足りてない俺が悪かったです。
「で、でも本当にあいつケーキ目当てなだけみたいだった、し…」
「結果論はどうでも良い。気を付けろって言ってんの」
「…はい」
でもやっぱり、朝生田に敵意がなかったことだけは俺も退けなくて、反論するもきっぱりと言い捨てられた。はい、そうです。結果論です。申し訳ありませんでした涼様。以後気をつけさせていただきます。
「次からは?」
「…朝生田の誘いには乗りません」
そんな質問をされたらそう答えるしかない。
大魔王様が怖すぎて、何でも良いから早く終わってくれと切に願う。反省したから。大魔王様見た後で同じ行動は絶対取ろうと思わないから。
「良い子。次はないよ」
「…うん」
頭をくしゃりと撫でられ、大魔王様が何処かへ帰られたことを知り、ほ、と一息。いつものふんわりとした笑顔に異様なほどの安心感があった。
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