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厳選に厳選を重ねた結果人形は2つだけ貰うことにした。もっと欲しいな、と思ったけど2人が怖いし、琉生にまた涼に報告されたら大魔王様降臨お説教コースだから止めといた。愁が熊の中に何か仕込まれてないか探ってたのには笑ったが俺の中では朝生田の株上昇。
熊くれたから、って訳じゃあないけど、そこまで現金な人間だとは思ってないし。やっぱり朝生田ってそこまで危険じゃないんじゃないのかなぁ、って。
否、そりゃあ確かに変な奴だし、殺気とヤる気をかける意味わかんねぇ危なさ持ってるけど、そこは俺も認めるけど。雰囲気的に俺と愁に危害与える気ないって言うか。偽ってるんだと言われたら終いだけども。でも、偽りじゃないようにも見えるし。
…結局はよく分からない奴、に行き着いてしまうなぁ。まぁとりあえずは怪しい行動にだけ注意していたら大丈夫だろう。…多分?
「…狼城君」
「ん…、?」
「授業始まりましたよ」
朝生田が自分の教室に戻っていった後で、急にゆさゆさと体を揺さぶられ、目を開けて揺らしてきた人を確認すると、それは涼で。
確か、先まで英語の時間で。文法説明が理解できなくて朝生田がくれた人形で暇を潰していた筈で。化学は英語の次の次の授業。…もしかしなくても寝落ちしていたらしい。
「おはようございます」
「ん……、」
目を覚ました俺の頭をぽふぽふと撫でて、涼がくるりと教卓の方へ体の向きを変えた。
「昴流、熊大好きなのは可愛いけどあんまりそっちばっか構ってたら嫉妬するよ?後、その熊どうしたのか後で教えてな?」
俺から離れていく直前に、然り気無く耳元で囁かれたそれ。反射的に涼を目で追いかけると、小さく口元に弧を描く涼と目が合った。そこで完全に目が覚めた。熊、後で聞く。やばいやばい、これお説教コースまっしぐらだ。どうしよう。寝落ちした、ついでに言うと熊を枕にしていた俺が恨めしい。
「…ルウちゃん実は馬鹿でしょ」
「……ぬ」
隣の席の愁が苦笑い。返す言葉もない。
でも、でも。眠たかったのは仕方ない。
…嫌だなぁ、大魔王様。絶対「昨日今日で何やってんの?」って言われるんだ。否、実際には同日同時刻に起こったことなんけど。嫌だなぁ、昼休み来ないでほしい。この授業終わったら昼休みだからなんかトラブルあって教師全員呼び出されて生徒は帰れる、みたいなことにならねぇかなぁ。呼び出されることになった涼には悪いけどさ。
この日の涼の授業は次の時間が怖すぎて、授業なんて耳から耳へと抜けていってずっと現実逃避をしてた。
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