アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
、
-
嫌な予感がしていたそれは見事に的中。当たって欲しくなかった。
理科室に行くと空調が効いたその部屋で既に涼は待っていて、俺を見るなりにこりと笑ってきた。俺知ってる。これやばいやつ。
「すーばる。あの熊は?」
ほら来た。愁を見ても助けてくれる気配はなし。琉生は涼に反論するのが怖いからと我関せずと言うかのように視線をそらされた。俺の味方は誰もいないようで。
「…あ、そだ…から…」
「あ?また赤潮わかめ?」
「ご、ごめん…」
怒られると思うと涼の反応1つ1つが怖い。
言い訳をしたい、したい、が「それ一昨日言えば良かったよね」って言われそうだ。だから潔く、説明することにした。どっちにしろ大魔王様になるのなら優しい方を選ぶのが得策だ。
「…それで、朝生田からもらった熊を?抱き締めて?寝てたの?」
「う、うん…」
「…熊好きなのを喜んだら良いのかお馬鹿さんを怒れば良いのか…」
「おばか…」
その言葉だけでも俺は十分怒られてる気になってるんだけど。
「一昨日、昴流何て言ったっけ?」
「あ、朝生田とは極力2人きりにはならない…」
「それに餌付けもされないの追加ね」
え、餌付け…そこまで言わなくても良いじゃないか。そりゃあ熊もらったのは俺だけど、欲しいって言ったのも俺だけど。でもあれは、ちゃんと大丈夫って思ったからそうしたわけで。餌付けされたわけではないぞ。うんうん。
…なんてこと、大魔王様に言えないに決まってて、論破されるのもわかってるから素直に「次から気を付けます」と頭を下げた。
「良い子。それで?その熊何か仕掛けられてた?」
「え…」
愁と同じことを…そんなに朝生田信じられてないの??俺もあいつのこと気を付けてはいるけど…そこまで危ない奴な気はしないけどなぁ。
「何も仕掛けられてねぇよ。触ってみたけど違和感は特にねぇし縫い目も縫い直してそうな部分はなかったし~」
そして愁が思っていたよりも人形を探ってた。朝生田お前この2人に指名手配犯かってくらい疑いの目かけられてるぞ。
「ないなら今回は許してあげる。朝生田と食べに行った日に言ってたことみたいだし」
「…え、あ、うん…」
これにまた驚いた。絶対涼「報告できたよね?」とか言うって思ってたのに…。そのことを涼に言ったら
「寝てた昴流が可愛かったからおまけ」
…だと。うん、この点に関しては寝てた俺良くやった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
826 / 1113