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それからまた、数日。球技大会も終わって、今度は体育祭ムード一色。今日、いつになく騒がしいのはブロック発表と同時にブロックごとに集会をするからか。
「お、ルウちゃんとルイちゃんと一緒~」
集会前の昼休み。ブロック分けの紙がクラスに貼られてそれを見に行く。今年も赤色で、琉生と愁と同じブロック。去年1人は寂しかったからちょこっと嬉しい。最後の体育祭でも1人なのは寂しすぎる。
「ブロック担当は…書いてないなぁ」
「どうせ椿先生なんだろ、俺知ってる」
「3人固まったらその可能性強いかもね」
赤担当の教師が書いてないから勝手に涼だと予想。つーか、絶対涼だ。琉生は兎も角として、俺と愁が揃ったってことは涼に他の教師が俺らを押し付けたに違いない。
案の定、というべきかブロック別集会に指定された会議室に行ってみると涼がいた。涼は俺ら…主に俺?が来たことを気づくと、俺らに近づいてきた。あ、背景にハートが見える。絶対俺らのこと押し付けられたに決まってんのに、当の本人は一緒になれて嬉しそうなんだもんなぁ。じゃあ俺は嬉しくないのか、って聞かれたらそりゃあ嬉しい。他の教師が担当になるくらいなら断然涼と一緒が良い。でも涼は少しハート抑えて。
「狼城君今年も一緒ですね。縁があるんでしょうかね」
縁も何も俺と愁に関わりたくない教師たちに押し付けられたんじゃあないか。涼にとっては毎回自分が何も言わなくても俺と必然的に一緒になれるんだから願ったり叶ったりだろうが。
「そうそう。狼城君ブロック長で良いですか?」
「…は?」
唐突な提案に頭が真っ白になる。俺がブロック長って何考えたんだこいつは。他の奴もいんのに…なんで俺を推薦するんだ。琉生とかブロック長っぽいだろ、体育会系なんだし。涼絶対それ私情挟んでんだろ。
「3年でずば抜けて運動神経が良いのがこの3人だから?」
「じゃあ、琉生が…」
「ブロック長だったら一緒にいれる時間増えるじゃん?」
「じゃん?」って思いっきり私情丸出しじゃねぇか。否、まぁ、うん。そうだな、涼はそう言う人だったよな。でも、その理論なら俺副ブロック長でも良くない?
…って返したら残念そうな顔をされた。え、何。俺が悪いの?
「ブロック旗持つ昴流を写真に納めようかと思ってたんだけど…やっぱ嫌?」
私情挟みまくってんじゃあない。私情"しか"挟んでないじゃないかこの男は。今年もまたあの大量のカメラを起動するつもりか。
涼に甘い俺であってもさすがにそれは聞けないぞ。俺人をしきるのとか向いてないし。ごめん、涼。涼の願いを叶えるには俺の実力不足。
「…じゃあリレー今年も出てね」
しゅん、ってしてしまったけどなんとか妥協してくれた。何かごめん。俺がここの学校の生徒ほぼ全員と交流がないせいで。今年もリレー出んの決定されてしまったけど、どうにかなるだろう。ブロック長するよりはましだ。
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