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「お前も、ピアス取った方が良いかもな。"その"制服でピアスは目ェ付けられやすいだろ」
「あ…嗚呼、うん」
愁がつんつんと俺が付けていたピアスを指さした。それもそうだな。不良校の制服でピアス付けていてもどうも思われないだろうけど、この学校は一応頭が良いとこ―朝生田みたいな奴もいるけど―で。この制服を着てピアスを付けてたら、違和感を持たれて目を付けられやすくなるかもしれない。それに向こうが探しているのは最恐云々の前に"不良"だ。当時の俺等の特徴もだけど、そう見られる格好も避けた方が良い。特に俺みたいに咄嗟に嘘が付けない奴は。
まぁ要は、『この制服を着ている以上、それらしい格好になった方が良い』ってこと。ピアス涼に貰ったのもあったし気に入ってたけどそうなら仕方ない。
…あ、でも。
「涼と、お揃いのは…」
左右に1つずつ。涼とお揃いであるそれは外した方が良いと分かっていても出来れば外したくなくて。それも取らないと駄目かと愁に視線を送れば、溜息を吐かれた。それはもう大きな溜息。はぁぁぁぁ、って感じの。
「お前って結構ば…否何でもない」
「っ、な…」
「ば」って何だ。「ば」って。『馬鹿』か?馬鹿って良いかけたのか??失礼だな。馬鹿じゃない。ただ大切だから手放したくなかっただけだ。
「バーベルのは見えないところに付け直すとして、フープのはもう、諦めろ」
「…耳の見えないとこに…」
「保険だよ。完全に隠れる訳じゃねぇだろ馬鹿」
「う…」
今度ははっきりと馬鹿って言われた。
…諦めるしかないのかぁ。ちょっと寂しくもあるけど、俺の身の安全とピアスを天秤にかけたらそりゃあ優先すべきなのは前者だもんな。
涼にもらったあの日から肌身離さず付けていたそれも暫くは封印だ。バーベルの方はへそかニップルのキャッチをお揃いのと変えることにして。
「あー面倒臭ぇ……。俺も色変えないとだよなあ」
「黒はやっぱ無理なの?」
「んー…長期間すんのはまだしんどいなぁ」
「そっか」
藍色に染まった髪を光にかざす。光が当たると青色に輝く髪だが、決して薄い色と言う訳でもない。寧ろ黒に近くて、そうなると色を落として好きな色に染め直すのって結構難しいんだって。
なら、一層のこと地毛に近い色にしたらそこまで髪の負担はないんじゃないかと思ってそんな提案をしたが、愁はそれに軽く首を振った。じゃあ仕方ない。一番良いのは地毛に近い色だけど、愁が無理なら強制は出来ない。
「あ…でも明るすぎも…」
明るすぎは保険のための染髪だったのに、教師にも目を付けられそうだ。そっちもそっちで面倒だろ。明るすぎず、暗くなりすぎずがベスト?
「え、椿結構甘いから良くない?」
…って俺が言ったら愁はけろっとした顔で逆にそう聞いてきて。…まぁ、そうだな。お前に注意するのは涼くらいで、でもその本人は愁が髪を染める理由も分かってるから自分の教師としての体を守るために注意はするだけして、後は見て見ぬふりだ。
そうなんだけども、他の教師から生徒指導を持ち掛けられでもしたら流石に涼も断れな…って、あーー、そうか。ド派手な頭した朝生田がずっとあの目が痛くなる赤色な訳だから、ちょっと明るい色になったくらいで愁が生徒指導に引っ掛かることはないか。じゃあもう愁の好きな色にしてください。
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