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昼休みに入っても愁はまだ来ない。けれど宣言された時間になったし、恐らく昼休み中には来るだろうから『理科室に先に行っとく』とメールを送って俺と琉生は教室から出た。
「そういや、今日朝生田来なかったなー」
「あー…」
そう言えばそうだな。休み明けは決まって昼までの10分休みのどこかで来るって言うのに来なかった。毎回毎回騒がしく「休みの日何してたの?」って聞いてきたのに。だからと言って俺らが心配するようなことでもないんだけど。
どちらかと言えばあいつが来すぎだっただけで。そもそも学年が違うから、体育祭が終わった以上あいつが休んでるのか、ただ俺らのところには顔を見せてないだけなのかは確認しようもない。
まぁ、前みたいにそのうちまたひょっこり顔を出すだろ、多分。あいつのことは良く分かんねぇ。
「魔咲君やばくない?あれ」
「背も高いしほんとモデルみたいだよね」
「そーそ。一気に雰囲気変わった。何かさ、椿先生と一緒にいたら絵になるよね」
「本人に言ったら絶対殺されるけどね」
涼が私物化してる理科室は別の校舎だから一度外に出ないといけない。だから玄関の方へ向かっていたんだけど、その時女子2人とすれ違った。たまたま彼女たちの会話が聞こえて、その話題はどうやら愁…らしい?
てことはもう既に学校に来てる?話題にされる、ってことはかなり髪を変えてきたってことなのか。そんで、涼の名前も出てきたったことは今一緒にいるんだろうか。
「だから、遅刻するなら連絡しろと言ってるでしょう」
「だから~俺も寝てたって言ってんだろ」
「それ、2時間前の話だった気がするんですが?」
「そっから髪切って忙しかったんだよ」
一体愁はどこで止まってるんだと思いながら階段を降りていると、いた。1階に、涼と話し…口論してるそいつが。
愁の髪型・髪色はそりゃあ、話題にもなるよなって変貌を遂げていた。
色んなトーンの灰色が混ざった髪色。髪も肩より下まであったものをバッサリと切ってしまってる。俳優とかモデルの人がしてそうな髪型?流行の髪型っぽいって言うかなんと言うか。これなら女子が騒いでたのも納得だ。
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