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「昴流の可愛いピアスが朝生田のせいで…」
俺がピアスを外してから、涼は数日間ずっとこんな調子。学校では『良い教師』を演じてはいるけれど、休み時間とか、放課後とか。今日みたいな休日は特に病院を勧めたくなるほど気分が沈んでどんよりとしている。
ピアスを取った理由を琉生にも言った範囲で伝えると、理解はしてくれたけど納得はしてくれなかった。。俺が涼とお揃いのピアスを外した時よりも、その凹み様は凄まじく。と、同時に朝生田への恨みも。末代でもその怨念が朝生田に付きまといそうだ。
「昴流のピアス可愛かったのに」
「ひぁ、…っん、」
がぶり、と。前までお揃いのピアスがあった場所を涼が噛んできて。そんなに噛んだってピアスは生えてこない。生えてくる筈もない。
「で、でもバーベルの、方のキャッチは…へそにし直した、から…!」
「…もう一個のは?」
「それは体につけんのには難しかったから…財布の中に…」
「金運上げるお守りか何かにされてんの??」
つけ直すことができなかったピアスの方の行き先を伝えると、そんなコメントが返ってきた。
ち、違うし…。ただ、たまたまずっと手元に置いていられるのが財布の中だっただけで。
「…昴流のピアス」
「う…」
結局そこに戻ってしまった。執着がすごいな、もう。
俺も俺で涼には甘くて。こんな何日もしょんぼりされて、いつもならピアスが埋め込まれているはずの耳たぶをつんつんとつついてこられたら、折角問題が解決されるまで封印すると決めたピアスを、休日だけならと妥協せざるを得ない。
制服を着てない限り、ピアス1つくらいなら目立たないだろう。1つつけてる奴なんてざらにいる。…ただ、平日に外すの忘れないようにしないとなぁ。
「…ふふ、かわい」
ポケットに突っ込んでいた財布から、ピアスを取り出して耳につけると、それだけで今までのテンションが嘘みたいに涼はほわわんっとして。多分動物の耳とか生えてたら揺れてたんだろうなぁ。
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