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「あつ…」
ご飯を食べた後、食器を片付けてから風呂に入った。浴室から出て寝室に向かうと、涼はベットに腰かけて先まで冷蔵庫にあったペットボトルの水を喉に通した。数分前まで浴槽に浸かっていたのもあって、火照っている体を冷ます様に水はどんどん体の中へ吸収されていく。
一応冷房もついているのに暑くても温度を下げないのは、俺に気を使ってくれているのだろうか。まだ7月で、一番暑くなる9月頃と比べて若干?涼しさが残る時期。その上クーラーがついてるんだから、俺の体感温度では風呂上がりは長袖でもまだ平気だけど。それに比べて涼は半裸。暑いなら室温下げたって構わないのに、俺に合わせようとしてくれてる無言の優しさ?
「涼クーラー温度下げるね」
「ん…?昴流が大丈夫なところまでで良いからな」
嗚呼、ほら。涼は優しい。寒くなれば俺が着込んで調節すれば良いのに。絶対自分が俺に合わせようとするんだもんなぁ。涼の体調崩れても嫌だし、今の設定温度が28度だったから2度くらい下げて風量も上げる。これで涼しくなる筈。
「は…、」
「…~っ!」
涼がペットボトルから口を離して、息を吐く。本人は暑がっているだけなんだろうが、少し熱があるそれは、情事中のを思い出させる。よくよく見れば、風呂上がりでしっとりした肌とか、乾かしきれてない髪の毛とか、何かもう色々と厭らしいし。
涼って時々無意識に色気振り撒くからやだ。
「…ん…?すーばる…?昴流も水飲む?」
「え、あ、う、うん…ありがと…」
思わず魅入ってしまっていると、涼と目が合った。
色気がある自覚がないこの人は俺が水を飲みたいのだと勘違いしたらしく、先まで自分が口付けていたペットボトルを渡してきた。
普段は涼に意地悪言われなければ間接キスだとかそんなこと意識しないのに、平生よりも血色の良い唇に目が行ってしまったからか、もらったは良いもののもの凄く飲みにくい。
「…すばる?どうした?」
「え、な、なんでもない…!」
「そう…?」
顔を覗かれてはっと我に返り、涼に考えてることを見透かされないように、慌ててペットボトルを口につけた。
暑さにやられてるのか、声音もおっとりしてるし。感じてる時に雰囲気がそっくりなんだけど。何、何なのもう。
「…昴流…?もう寝るの?」
色々と我慢できなくなって、ペットボトルを涼に返すと逃げるようにベットに横になった。寝る前は必ず大事そうに真ん中に置かれてる縫いぐるみを抱き締めて、完全に寝る態勢に入る。逃げるが勝ちだ、こんなの。
しゅーんってした声が聞こえた気がしたけど俺の心臓が一大事だから仕方ない。
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