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「ん…、ふふ、なぁに?甘えたさん」
抱き締められた涼は、向かい合った状態で抱き締めたから顔は見えないけれど、きっと優しく微笑んでいるんだろう。ローションから手を離して、その空いた手でくしゃりと俺の髪に触れる。
「お、れ…涼が、いないの変な感じした」
「ローション探しにいってるとき?」
「いつもえっちの時ずっと涼に触れてた、から…?」
「…嗚呼、寂しくなったのか。ごめんね」
「ん…」
俺が先までとの違いを伝えると、涼は眉を下げて俺の顔を覗いてきた。そもそも、大丈夫ってあのとき言ったのは俺だし、涼は悪くないのだけれど。
「今は?寒い?」
「大丈夫」
涼がいなかったとき、心細かったし、クーラーの風がすごく冷たく感じた。けど今は安心感があるし、暖かい。涼にぽふぽふ撫でられるのは気持ちいいし、涼を抱き締めてるとそれだけで幸せな気持ちにさえなる。
ぎゅうって、涼の背に回していた腕にもっと力を入れて、涼の肩に顔を埋める。
香水の匂いはしなくて、代わりにシャンプーやボディソープの柔らかい匂い。それから、生活の中で染み付いたものなのか、それ以外にも匂いがする。バニラの甘い匂いは薄いけど、夜だけのこの匂いも好きだ。
「昴流?」
「俺こうしてんの、好き…」
俺は結構…かなり、涼を抱き締めるのが好きらしく、たったこれだけで胸が温かくなり、幸せで溢れる。寂しさなんて何もなかったように消えていく。
できることなら、ずっと抱き締めていたくなる。
誰かを、愛しい人を抱き締めたくなるのってきっと強く相手の存在を認識できるからなんだと思う。匂いとか、体温とか、感触とか。相手の全部を確かめれる行為だから。
そして、無性にそうしたくなるとき、そう思うきっかけがあって。例えば心細くなった時とか。今日みたいな。
…俺、五感に依存しすぎ?もしかして。
「…ふふ、昴流は本当に甘えん坊さんだね」
「う…、」
「ごめんな待たせて。次から気を付ける」
俺が抱き締めるって行為に、寝室に1人でいたときの寂しさとか、空虚感とか、そう言うのを感じ取ったのか、また涼は謝ってきた。
涼は別に悪くはないのに俺の弱さがそう言わせているようで少し歯がゆかった。俺自分で思っているよりもかなり女々しい奴?同じ家の中にいてもちょっと離れただけで寂しくなるんだからなぁ。
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