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「…なぁんか、納得できねぇんだけどさ」
突然、先まで朝生田と話していた男ではない奴が口を開き、不服な点があるともの申す。そいつが続けて言うには、「今までの相手とは違いすぎる」…とのことで。
「それに、あんたが制服着てる奴と接点あるように思えねぇんだけど?」
『兎』の意味が分からないからこいつらの言うことはあまり理解はできないが推測するに、朝生田は俺と接点がまるでなさそうなのに知り合い…基『兎』なのは変じゃねぇか?ってことなんだと思う。
…え、まさかこいつら。朝生田が学校に行ってんの、知らないのか?俺は今制服を着てる。朝生田が学生だと知っているのなら、俺が同じ学校に通っていると必然的に分かるはずだ。同じ学校なら知り合いでも何も可笑しくない。
「…どうとでも言え。兎に角、こいつに、手ェ出したら殺す」
朝生田が出した殺気は、本当に人一人殺してしまいそうな…、そう思わせるほどのもので、それを向けられていない俺にもビリビリと伝わってくる。それには彼らも流石に苦笑いを浮かべた。
「そう怒んなよ、ボス。ただ聞いてるだけだろ」
「俺は、余計な詮索はすんなと、言っている筈だが?」
「これは詮索じゃなくて興味だろ」
「ボスの"お気に入り"にしちゃあ今までとタイプがちげぇから気になんのは当たり前じゃん?」
詮索だなんだと俺を挟んで言い合う5人。彼らの主張としてはやはり、俺と朝生田の関係に納得がいかないと言うこと。対して朝生田はそれ以上聞くな言わないの一点張り。いつ、俺のことを「狂狼だ」と紹介するのか内心ヒヤヒヤしているんだが、その様子はない。寧ろ逆だ。
結局、朝生田は何がしたいんだろう。俺らを狙ってるのかと思えば逆の行動…俺を仲間から遠ざけようとする。意図が読めない。
「嗚呼。んじゃあ一発俺らの前で、ヤってくんなら信じるわ」
「……は?」
「出来んだろ?『兎』なら、よ」
そいつの提案でピシリ、と空気に亀裂が走った気がした。朝生田が纏う空気がさらに禍々しくなり朝生田の眉間の皺は濃くなる一方だ。
俺はと言えば相変わらず会話についていけないから彼らの提案は勿論理解できていないんだけど。1人だけ。本当に1人だけ。ちょびっとだけ悲しいから誰か俺に説明して欲しい。
「出来ねぇなら貸してくれても構わねぇよな?丁度暇してたしなァ」
「…ひ…っ?!」
むに、と急に尻を鷲掴みにされて、驚いて変な声が出てしまった。何、何で俺、掴まれたの?
「へェ…野郎でもこんくらい柔らけりゃあイけるか」
「見なかったらな」
「まぁ、それもそうだけどよ。流石に萎えるわ」
朝生田に掴まれてるせいでこいつらの顔を見ることはできないし、やること言うこと意味不明だけど、朝生田と違って恐怖よりも不快感。
「おい、あそーー」
「…マジで言ってんのか?しぬか?」
「わ、わ…っ?!」
逃げようにも朝生田が俺の体を固定してしまってるから動けない。こいつは俺に耐えろと言うのか、そうなのか。……と、文句を言おうとしたらそれを遮る形で朝生田が口を開いた。そして俺から仲間の手を無理矢理引き剥がして俺を抱き締めたまま一歩分後ろに下がり彼らと距離を置くと、今日一番の殺気の籠った目で彼らを睨み付けた。
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