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俺らが部活に参加する日は舞那ちゃんと3人で帰ることが決定して3週間目、一緒にに帰るのは5回目の日。後数日で夏休みに入るという状況であり、実質今学期最後の部活ということになるその日も、3週間目で何もないなら大丈夫だろうと思いながらも念のために3人で帰っていた。
日照時間が長い季節である上に今日は下校時刻が早かったのもあって、そう言うことが重なって油断していたのもあった、んだと思う。
「お前さ、前の『兎』だろ?」
「……む?」
ぽん、と。突然後ろから肩を叩かれた。あまり馴染みのない声に何だ何だと背後を確認すると前会った、『赤色』の奴が数名いた。前にはなかった怪我が顔にあるのが気になるが、そんなことよりも、だ。
油断していたり忘れた頃に危険は迫ってくると言うがまさにその通りだ。…まぁそれは今まで注意していたからこそ避けれていたことなのに注意を怠っていたから遭遇したとも言うんだけど。1人での行動を避けるようになって3週間。朝生田の要求を呑んで3週間。とうとう、絡まれてしまった。うーん、後1週間待って欲しかった。そうしたら夏休みに入って今よりは安全だったと思うのに。ほら、家にいる時間が長くなるんだし?
でも、確かに俺らが油断していたのもあるけれど、今俺らがいる場所は大通りとまではいかなくても人通りの多い道で、そんなところで絡んでくる馬鹿はいないと高をくくっていたのも理由としてはある。けれど、こいつらにそんな常識的な考えは通じないらしい。
そこで、今にして漸く、朝生田の要求その2の本当の意味に気づいた。あれは恐らく、『こいつらは場所なんてお構い無しだから見つからないように距離を置くのが賢明』って意味だったんだろう。ただ単に気を付けろって意味じゃなくて。
最初からそう言っといてくれよと言う文句も浮かんできたが取り敢えず、だ。舞那ちゃんの安全が第一だから、こいつらに前後を囲まれてないことを確認して、後ろにして庇う。これなら、何かあっても確実に逃げれる筈だ。
「ヒュウ!かぁっこいねェ。後ろのカノジョ?セフレ?で、隣の奴は?アカネが兎っつーからよォ、ホモかと思ったらどっちもイケる口?」
「…あ?」
俺と愁が舞那ちゃんを守ったことでそいつらの1人が口笛を鳴らす。
急に意味不明な単語が出てきたけど、これ、舞那ちゃんを庇ってるから恋人に勘違いされてんのか…?もしくはそれに近しい存在?言い方的に愁もその内の1人だと思われてんの…?や、それって俺めっちゃ不誠実な奴じゃん。それはやばい。朝生田も入れたらもう既に俺こいつらの中で三股してることになるじゃん。…って、呑気なこと考えてられる余裕は正直あまりないから、俺が不誠実と思われているのはこの際気にしないことにする。
朝生田の要求その4。『喧嘩になる前に逃げろ』。
こいつらが場所なんてお構い無しなら、喧嘩なんてどこでも出来るんだろう。つまりそれは見つかれば何をされるか分からないと言う相手の凶暴性を示す言葉でもある。向こうが手を出してくるよりも前に、早くこの場から逃げた方が良さそうだ。最も、逃げる際に足止めという名の暴力が待っている可能性はなきにしもあらずだけど。
「愁」
「俺ら2人ならワンチャンいけっかなぁ…?」
朝生田とのことは話してあるし、俺よりも頭の回転が速い愁なら同じこと考えてるだろと思って、名前を呼ぶ。愁の答えとしては『3人で逃げるのは難しそうだけど2人でならできなくもないかもしれない』だ。相手がどこからどこまでの行為をしてくるか分からない以上、相手の人数的にも喧嘩にならずに逃げるとなると妥当な判断だ。
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