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TPO関係なし。そんな奴ら相手になるべく喧嘩はせずに、逃げろなんてかなりの無理難題だ。だって俺らはする気なくてもこいつらは臨戦態勢なんだぞ?つーか、もうすでにやられてる訳で。
「ヒュー…、あっこから受け身取るって喧嘩慣れしてんのか?お前らあれだろ?あの、あーー…えっと。あの優等生校」
「…それが、何だよ」
「そんな奴が何でボスと知り合いなのかも気になんし、喧嘩できんなら俄然興味湧くよなァ…」
迷惑な話だが興味を持たれてしまった。この制服に問題あり、か。
まぁ、今そんなことに気づいても遅いか。気づいていたところでほいほいと簡単に転校できる訳でもないのでどっちにしろこの制服をどうにかする術はないのだけれど。
唯一の救いとしては、俺らが誰なのか気づかれてないところか。気づかれてないならまだ、逃げるチャンスはある。
「やっぱ、"話してた通りに"やるぞ。面倒臭ぇしその灰色頭も一緒で良いわ」
「了解~」
「…っ、」
そいつの掛け声を合図に、1人が殴りかかってきて、避けたらまた次の奴が。とりあえずはカウンターを狙う方向で。
「っと…?っぶね」
「な…、」
相手が大きく拳を振り上げたのを見て、チャンスだと思って一気に間合いを詰めて拳を作った。絶対、入ると思った。けれど、殴る体勢であるにも関わらず、そいつは避けやがった。
正直、このカウンターが最後の希望で、急所にぶつけて相手が悶えている隙に逃げる計画だったのに困った。もうカウンターは警戒されて使えないだろうし、喧嘩に発展させるにしても、勝てるかは怪しい。て言うか、勝てないと思う。俺らは丸腰で、向こうは武器持ってるかもしれない訳で。そして何より、ここが人目のある場所だということ。動きにくいことこの上ない。…尤も、こいつらはそんなことお構い無しみたいだけど。あーあ、メリケンサックくらい持ってたら少しは楽だったんだけどなぁ…。
「っい゛…?!!」
ーバチンー
ぶつぶつ心の中で文句を言いながら応戦しているとーー瞬間、背中を駆け巡る激しい痛み。静電気のような音が頭に響き、一瞬視界が暗転した。
「ぁ…?っ、ぅ、」
それでもなんとか意識は持たせたが、体は言うことを聞かず力が上手く入らない。て言うか痛みでそれどころじゃあない。正直視界に映るものを整理している余裕はなかったが、いつの間にか俺の背後に回っていた奴の手元にあるものだけは、はっきりと"それ"だということを理解した。その黒色の物体が何なのかを。そいつだけはしっかりと見えたのはもしかしたら、本能的に自身をこうした武器を確認しようとしたからなのかもしれない。
「は…、マジ、かよ」
スタンガン、とか。本当なんでもありだな。思わず笑ってしまった。威力は喧嘩用に抑えているんだろうが、感電するには十分なもの。長時間流されると生死に関わってくるものを、躊躇いもなく暴力として使う。
やばい、とかそう言う次元じゃなくて、こいつらは根本的に俺らと思考が違いすぎる。常識が通用しない。何人か昔使っている奴を見たが、俺だったらそもそも危険を伴う武器は使いたくない。それがきっと普通だ。けれどもこいつらは、リスクを承知で使う。それには"使いこなせる"って絶対的自信が隠れているようにも思える。じゃあ、どれだけ改造すれば、自身が使う"凶器"を熟知していれば。その自信は来るものなのだろう。分からないし分かりたくもない。
そう言えば、ここ数年で何度か頭を殴られて気絶して、拉致されたことがあったけど、あれも中々に頭がイカれていた、と今なら思う。あの時はそうだと気づいたのは目が覚めた後であまり意識していなかったけど、良く生きてた俺。まぁ実際は、動き鈍らす程度に不意打ちで殴られて、突然のことで頭が回らなくなっていた内に気絶するような何かをされたんだと思うけど。思いっきり殴られてたら気絶するよりも前に死にそうだしなぁ…。そこら辺はあの時の前後の記憶が曖昧だから分からない……けど、俺ってヤバイ奴引く確率多くない?
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