アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
、
-
仲間が来る気配はないし…こいつ1人なら倒せるか?そんで、隙を見て愁を担いで逃げよう。連絡手段が絶たれている今長居すんのは危険だ。
「…あん?やる気か?」
「これだけ聞いて逃げようとしねぇ方が馬鹿だろ。犯されたくねぇし」
「ンー…それもそうか」
立ち上がって、身構える。2回スタンガン食らったのもあって当てられたとこがまだ少し痛いけど、動けないほどではなくなった。こいつの行動パターンもある程度頭に入ってる。ヘマしない限り、いける筈だ。
「しゃあねェなァ……、ヤる前に殴る趣味はねぇんだけど…なァっ?!」
「…っ、」
ぐん、と思いっきり引かれた腕が俺めがけて飛んでくる。それを受け流して間合いを保つ。今度はカウンターを狙わずに。俺がやり易い間合いで身を捻って攻撃を仕掛ける。
「っ゛、…ってェ…」
放った蹴りがそいつにビンゴ。思いの外綺麗に入ったそれ。ただ、命中したってことは俺にもその反動で痛みが襲ってくる訳で。…うーん。喧嘩なんてもう全然してなかったから痛みに慣れないし、感覚も鈍ってる気がする。
それを抜きにしても、昔はこんな痛いって思ってたっけか。愁に病院に連れていかれて初めてそう思っていたような気がする。こんなことで、痛みを覚えていた記憶がない。喧嘩しなくなって、痛みに弱くなったとか?
「お前、優等生なんかじゃねェだろ…何なんだよ糞…こんなにできるとか聞いてねェぞ…」
一発蹴りが顔面に入ったことで相手若干キレ気味。そりゃあ優等生高校の生徒だと思ってちょっかいかけたら喧嘩に躊躇いなしじゃあそう思うよなぁ…。その気持ちは分かってやるから俺らを早く帰してくれ。
「っらァ!!」
「っ、…と、」
一発入れられたことがそんなに気に入らなかったみたいで、俺を睨んで殴りかかってきた。感情任せだと動きは分かりやすいから、体を反らして拳をかわす。
「っが、ァ゛…」
一応目標は逃げれる程度に相手を弱らせることなので反撃も忘れず。2発目命中。昔はぽいぽい片付けてた記憶があるからやっぱり力弱くなったのかなぁ…それとも運動神経が?部活してんのに運動神経落ちんのはショックだ。
「っげほ、は…っ゛」
かわして蹴って殴って。それを6回くらいやってから違和感。こいつ凄ぇ打たれ強い。急所は向こうが避けて外されてんだけど、それでも昔なら2・3発で終わってた記憶があるからもう動けなくても良い筈なんだけど。…俺そんなに力落ちた?うーん…寧ろ体育の体力測定の点数は全部上がってる方なんだけどなぁ…パワーだけ落ちたんならそれは男として悲しいからこいつが普通の奴より痛みに耐性があるんだと言うことにしとく。
「…なぁ、そろそろ帰りたいんだけど」
無意味だろうが、弱ってきたところで「帰らせろ」と結構ストレートに言ってみる。相手からして見れば挑発でしかないと分かった上で。これは愁の戦い方を参考にさせてもらった。まずは相手のペースを崩して勝率を上げるために。しかし、思わぬことに俺を睨んでたそいつが途端に肩を震わしだして。
「っ、くく…ははは…ッ!」
そう。何故か、笑いだしたのだ。俺おかしなこと言ったっけ?煽り文句過ぎて壊れたとか?…や、それでもこの方向への壊れ方はちょっと怖くね?
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
903 / 1113