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けれども、顔を上げればまた口元に弧を描き、俺から離れていく。一瞬見せた真顔…っていうかあんまり"楽しそうじゃない"表情を見てしまったら、その変化が意味深長すぎて。まさかこいつは乗る気じゃないけどこいつらに合わせてんのかなって最初は思ったんだけど今までやられたことを考えるとそうでもないだろうし…?幾らその意味を考えても答えは出てこなくて、これ以上は無駄だと判断した脳がそいつを切り捨てた。
「ンー…。両手縛っとけば十分かァ…?流石に千切れねえだろ」
「は…?…っ、ぇ?」
ロープを持ったリーダーが、俺の両手首を纏めて持ち上げる。「縛る」という言葉が意味する使い道を理解したときにはもう遅かった。隣にいたやつに手伝ってもらいながら手際よく縛られて、紐の端はソファの足にくくりつけられる。
「…っくく、可愛いぜ?」
「…ほどけよ」
「そういわれて解く馬鹿はいねェだろ」
ロープはピンッと張られていて、動くことは難しそうだった。足はまだうまく力が入りそうにないので、口と目以外の抵抗する術を失ってしまった。この状況はかなりよろしくない。焦りを隠すように男を睨むと笑ってそう返された。ううん…正論だ。正論だけれどもこいつに「何言ってんだ?」って態度で言われんのはめっちゃ腹立つぞ。
「ま、楽しもうぜ?復讐も兼ねて、な」
「…っひ…?」
胸に、ごつごつした手の感触。あまりの気持ち悪さにぞわぞわっと悪寒が走り、吐気まで込み上げてくる。
俺への復讐、朝生田への嫌がらせ。そんなんで簡単に手を出せるのか。しかも、男…同性相手に。今までの話からして、こいつらはヘテロなんじゃないのか。
ー自分とは、違いすぎるー
価値観、世界観。何もかも。彼らのそれにぴったりな例えがあるのなら…。彼ら自身も言っていた『子供』だ。自分の欲に忠実で、やりたいことを抑えずにやる子供だ。目標を決めてしまえば、それしか眼中にないような…。小さい子供なら可愛いものだが、この年になってそれは、悪質過ぎじゃあないか。
「っ、な…、やめろ…!」
「あん…?」
リーダーがネクタイに手をかけ、血の気が引く。それは、レイプされるとは言っても彼らがヘテロならそんなにさっさと事は運ばないだろうと高を括っていたのもある。けれどそれ以上に、彼らがやろうとしている行為が俺の予想とはかけ離れていたからで。
復讐っていうんだからそれこそ高1の時みたいに『暴力』としてやるんだろうと思っていた。でもそうであるなら態々服を脱がすって行為は必要ない。たったそれだけの行動で、こいつらが『性行為』として、俺をヤろうとしていると理解するには十分だった。
ー嘘だろ…?ー
ヘテロが、野郎と"セックス"?復讐の為だけに、同性とセックス?
これが『暴力』としての手段ならまだ分かる。それとの違いは、俺を『性的対象』として見なければいけないと言うこと。正直何がしたいのか分からない。俺がこいつらと同じ立場に立ったたとしてーまぁないとは思うがー、復讐って目的があったとしても不快感は必ず生まれる気がしてならない。じゃあ、そんなの抱いてまで何でやるの?って疑問が勿論生まれてくるんだけど、それはもう『暴力』では駄目な何かがあるんだろうとしか言えない。俺は絶対そっちの方が精神的には楽だと思うけど。
そんで、やられる俺の方もそうであったほうがまだ良くて、これから『性的対象』として見られ、触られることに不快感を覚え抵抗を続けた。そうは言っても俺ができることなんて吠えることと睨むことと体を揺らすことくらいで殆ど無意味なものなのだが。
「あー…?どう結んでんだ…?」
「は…、お前は相変わらず不器用だな」
「仕方ねェだろォ…学ランしか着たことねェんだしヨ」
「にしてもだろ。貸せ」
この状況で笑えることがあったとすれば、解くつもりだったのだろうネクタイがぐちゃぐちゃにこんがらがったことか。否、不器用にも程があるだろ。学ランしか着たことないんだとしても解くことくらいできるだろ。と思わず心中で突っ込んでしまった。結局仲間に解いてもらってやがんの。
「……??どうなってんだこれ…?おいリーダー、お前何した」
「俺がわやにしたみてェに言うなよォ…」
「そうなんだよ」
どうやらリーダーが知恵の輪状態にしてしまったようで怒られてしまう。これが俺のネクタイじゃなけりゃあ良かったんだけどなぁ……。
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