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「っん、ふ……?!!」
またツキが天井を仰ぎ見て、瓶の中身を口に含むと今度は、喉を上下させぬまま俺に顔を近づけてきて。こいつが何する気だったのか分かったのはされた後。気がついたら口の中に冷たい液体が流れ込んできて、その異物感に驚いて飲み込んでしまった。
味はあのえぐい色に反してそこまでしない。ほんのちょっと甘いくらい。現状無事だしこいつも飲んでたんだから毒ではないと思う、んだけど…。別に美味しくないしこれ以上飲みたくはないかも。怪しいし、怪しいし、怪しいし。
「…もう飲ませんのカヨ」
「レイプなら、男相手にはこれが一番だろ。それに、強情そうだしな。俺らは、それを"良く知っている"、違うか?」
「……それもそうだなァ…ま、感じてくれるにこ越したことはねぇか」
相変わらずこいつらの言うことに俺はついていけない。でも会話の内容でやっと飲まされたのがこの行為に関係することなんだろうなぁ、ってのは分かった。性行為に関係するもの、飲み物…媚薬?劇物ではないだけマシだけど、それもそれで嫌だな。
…でも、俺が飲まされたのってたったの一口だ。もしかしたらそこまで効果は現れないかもしれない。これ以上飲まなければ耐えられるはずだ。勿論かなり強い可能性だってある。涼が使ったことあるやつだって効き目がやばかったやつもあった。だから絶対大丈夫とは言えないから不安もあって。
「っひ…、ぁ?!!や、さわん、な…!!」
下半身を何かで撫でられぞぞぞ、と不快感が襲ってくる。反射的にその先を見たら、メアがズボンの上から俺のを触っていた。
嫌だ、そこは触られたくない。本当に無理、無理だ。キスと同じくらい嫌だ。だって、ちんこだぞそんなとこ恋人じゃなければ触られたくない気持ち悪い。
幸い足は縛られてなかったし、下半身を捩らせてその手からなんとか逃れようとした。けれどなんとまぁこいつらの連携は素晴らしいことで、「あーちゃん」って呼ばれてた奴にメアを蹴ってやろうとした足を掴まれて押さえつけられてしまった。
ー糞、力強ェ…ー
体勢的に力が入りづらいのもあって押し返したところでそいつの手から逃れられられず。足は掴まれて、腕は縛られて。反撃の術を全て奪われて俺はこいつらのされるがまま。本当に、できる抵抗なんて糞しょうもないーーこいつらからしてみれば痛くも痒くもないものばっか。
嫌なのに、触られたくないのに。こいつらの手から逃れることは俺の力では不可能で、それが悔しい。でも、快感よりも不快感の方が圧倒的に強かった分まだ、ましだったんだと思う。そうだったから、まだ俺は冷静でいられたんだろう。
「ん…っ、ゃ、ぁ…あっ…?」
でも、それも段々と変わっていく。先飲まされたもののせいなのか、どんどん体が熱くなって。じわじわと触られたところが熱を持っていく。不快感に押し潰されていたそれが、少しずつ、顔を見せてくる。
ーやっぱ、媚薬かよ…ッー
その熱は発散されることなく体内に留まり続ける。強制的に興奮状態にさせられた体は先よりも過度な反応を見せ始める。
例え薬のせいでそうなってんだとしても、涼以外の人間に触られて反応を示している体が嫌だった。こんなもの飲まされても、本当に嫌なら反応したらいけないのに。今の自分が自分ではない"何か"のような気がしてならなかった。
「っは…、糞…、結構強ェぞこれ…。1本も飲んだらラリって死ぬぞ」
「マジで?えぇ…じゃあこんなに要らなかったんじゃね?」
「1本回して飲んだら十分だよ。…おい、口。噛んだら切れんぞ」
「っん…ゃ…」
それでも、せめて声だけは出すまいと、固く唇を噛み締める。声を出したら負けだと思った。そして恋人以外に触られて反応してんのを認めてしまったら、涼を裏切るようなものだとも。頭の中は涼のことばかり。
涼に触られたい、涼にだけ感じたい。涼に嫌われたくない。そう思えば思うほど下唇に歯が食い込んでいく。…と、ツキの手が俺に触れてきた。「噛むな」と俺の唇を撫でてくる。
「そんなに声抑えてェなら指でも噛むか?」
「ん、む…?」
ツキは無理矢理口をこじ開けると、そこに親指を突っ込んできた。「噛め」ってことなんだろうが、こいつが俺のために指を差し出してくる意味がわからなくて舌で押し返す。
だって、気持ち悪かった。この状況は紛れもなく"レイプ"なのに、こいつがやってくることは全部優しくて。何か裏があるに違いない。でも、そうすることでこいつらにどんなメリットがあるのかさっぱりだ。恨まれてる相手と、涼を重ねてしまう気持ち悪さ。胸のもやもや。
…でも、それだけじゃなくて多分、今俺が抱いている感情にはその、答えの見えない行動に対する恐怖もあるのだと思う。
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