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そして場所は変わり、愁の家。
「ああ…思い出しただけでもイライラする…」
「俺はそれを何時間聞けばいいんだ」
ここに来てから何度も何度も聞いたその言葉に俺はため息を漏らした。
愁は昔からそう言うところがある。
気に入らない奴が現れたらそいつを落とすまでそいつしか見えていないと言うか…。
嗚呼、でもこれだけ1人のことで考えてたのは久しぶりかも。余程椿が気に入らなかったんだろう。
「…シャワー借りるからその間に少しは冷静になっとけよ」
「…嗚呼。タオル乾燥機ん中」
俺のいっていることは一応はちゃんと聞いているらしいけど、どうせ頭の中では椿をどう落とすかばかりを考えているのだろう。
シャワーを浴びている間に少しは会話が成り立つ状態になってくれている事を願い、俺は床に落ちていた下着と制服を拾って立ち上がった。
「…っん…ッチ…、それと何度も泊りじゃねえときは中出すなって言っただろ。後処理だるいんだって」
「…あー、悪い悪い」
太股に液体が伝う感覚がして、舌打ち。
愁とは互いが一緒にいて楽だから…っつーか、一緒にいるのが当たり前っつーか…そんな理由で一緒にいるが、所謂セフレという関係でもある。
最初は無理矢理。その時は互いに初対面。今のように行動を共にするなんてことはなく、俺も愁の"玩具"の1人だった。
で、愁は俺を落とすためにレイプした。
何故レイプを選んだのか。
俺が屈辱で顔が歪むのを見たかったらしい。そりゃあ男に女みたいに扱われること以上の屈辱はないだろうよ。そういう性癖がある場合はさておいて。
男に掘られたなんて屈辱的で、愁をぶん殴ったのを覚えている。
そっから喧嘩、レイプ、喧嘩…と繰り返していく内に、今の形になった。
今は自分が下になることもどうも思ってないし、セックス自体多分お互い性欲を発散させたり、心を満たすため程度にしか思っていない。
でも、『セフレ”でも”ある』というだけで、セフレって言葉ではこいつとの関係は表現しきれない。何だろう。夜だけはセフレ…って感じ…?
シャワーを浴びて部屋に戻ったら愁は煙草をふかしているところだった。
窓は全てしまってて、部屋は煙っぽい。
窓くらい開けろよ。俺は喫煙者じゃねえからこの環境はきつい。
「っけほ…」
「ん?ああ…ルウちゃんは煙草吸わないんだったね。めんごめんご」
煙たくて咳き込むと、愁はすぐに煙草を灰皿に押し付けて、窓を開けてくれた。
話ができる程度にはなってくれたかと思っていたのだが、またすぐに舌打ちをして振り出しに戻る。
「全然思い付かねぇ…」
「珍しいこともあるんだな」
いつもならポンポン案が出て来ている筈なのに。
だが、今日が初日。案がでないのは向こうの事をよく分かっていないからだと思う。
相手の事を知らなければ言葉で"穴"に誘導することはできない。
「あいつを調べたらどうだ」
いつも以上に時間をかけて。地道に、そして確実に。
完璧な人間なんていない。必ず”穴”はある。
「それもそうだねー…」
「俺は興味ねぇから好きにしろ」
「えー、ルウちゃんあいつの顔面嫌いだったじゃん」
いや、俺そんなこと言ってない。偽ってる感じするなーって言っただけだった筈だ。俺の記憶が正しければ。
「マジで苛ついたら殺る。それ以外は俺は参加しない。いつも通り見ているだけだ」
ちぇー、と唇を尖らせる。
つまらなさそうにされても…俺何度も似たようなこと今日言ったと思うけど。
俺はお前ほどあいつをまだ嫌いだとは思ってない。強いて言えば『どうでもいい』ゾーンの人間。
そっから『嫌い』になったら俺も参加する。
「どうせあいつの事が分かれば直ぐに落ちんだろ。…学校来なくならない程度にやれよ」
「わあってる」
学校来なくなられたら色々面倒だ。中学と違って義務じゃねえから。
このときの俺らは椿が絶対に落ちる、その未来を疑うことはなかった。
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