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「げぇ…あいつ校門の前に立ってんだけど…」
翌日、登校した俺らを待っていたのは校門の前で服装の注意をしている椿であった。
愁は朝からゴキブリでも見たような顔で校門の前にいるそいつを見て、「最悪…」と呟く。
来た道をUターンしようとしたそいつの腕を掴んで引き留める。
「朝から萎えるー…」
それには同意してやるが、ポケットから手を出せ。どうせナイフ入ってんだろ。
ナイフは護衛用で持ってるもの。だがむしゃくしゃすればそれを弄る癖がある。
…姿を見ただけでこれだ。どんだけ嫌いなんだお前は。
「…いや、これもあいつを落とす為に与えられた情報収集のチャンスだと思えば…嗚呼…良いなそれ。うんそう思おう」
「…好きにしろ」
自分にとってプラス方向に考えたら悪魔の顔になったそいつ。
やっぱお前単純、っていうか頭良いのに馬鹿だろ。
「おはようございます。狼城君、魔咲君。…改善する気がないようで」
俺達に気がついた椿は、昨日と変わらぬ笑顔でそう言った。
それに愁が言い返す。
「お前の顔面が直ったら考えてやるって言っただろ?」
「……ふむ、整形すればいいんですか?」
「お前が一番分かってんだろ?」
カマをかけて、表情が崩れるかを伺う。
だが、椿は、表情を崩すことなくクスクスと笑った。
「なんの事かさっぱりですね」
「ああ?」
「兎に角、整形は考えてみてあげますけど髪をどうにかしてください」
椿が愁の青く染められた髪に触れる。
…嗚呼、こいつ馬鹿だ。
愁は気に入らない奴に触れられると切れる。
ズボンのポケットに手をまた突っ込んでる。
ポケットの中で折り畳みのナイフを開いては閉じてを繰り返してんだろうな。
これは相当頭に来ている。
刺すことはしないとは思うけど、こうなったこいつは何をするかわからない。
「…ったく。落ち着け」
入学して早々目立った問題を起こすつもりはない。
小さく舌打ちをして、愁が何かしでかす前に、間に入って愁の髪に触れていた手を掴んで引き剝がした。
「…っ、」
強く握ったから椿の顔が少し表情が崩れ、痛みを訴える。
そんなことは気にせず、完全に自分の世界にいっている愁をこちらに連れ戻すため、「おい」と声をかけペチペチと頬を叩く。
「…ルウちゃんは優しいねぇ…」
「あ?」
そして、戻ってきたかと思えばこれだ。
何が優しいのか、…椿を結果として助けたことだろうけど別に助けたつもりなんてない。
「目立つ問題を起こすのは止めろ」
2日目で教師と正面衝突はやばい。確実に退学だ。
最悪俺も巻き込まれて2人仲良く、だ。
まだ2日目だぞ。止めてくれよ?本当。
「あ、俺のためなの?…やばあ、帰ったらご褒美あげないとね?あ、学校であげてもいいよ?」
まるで出来た飼い犬を褒めるようにそう言うと、小指をわざと尻の谷間に食い込ませて、尻を撫でてきたこいつを殴らなかった俺を誰か褒めてほしい。
ご褒美とかまじで要らねえ。
「…ん、ッ」
嗚呼、糞。昨日ヤったせいで声が漏れる。やっぱ後で殴ろう。
「ケツ撫でんな、馬鹿かお前は」
「つれないなあ…」
「…おい」
止めろって言ってるのに撫で続けんな。ここで殴られたいのかお前は。
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