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で、入学式当日。
待ちに待ったその日がやってきた。
入学式会場は人が多すぎて見つけられなかったが、教室に入ってみるといかにも、な奴が並んで座っていた。
1人は噂通りの青のメッシュをいれた少年。
見ただけでわかった噂通り、俺と同じ"屑"だってこと。同族嫌悪。仲良くしたくない。
もう1人は黒髪の重たい髪をした少年。
髪の隙間からチラチラと耳が光って見えた。…ピアス多すぎだろ。
なんとか見える瞳は真っ黒で、光がない…というかどこか冷たい目。
だけど逆にそれに惹かれた。
どこかプライドが高そうで、"一匹狼"って言葉が似合いそうなやつ。俺のもろタイプ。こいつとは仲良くしたい。
もっと欲を言えばこいつが5歳差未満なら手を出してた。
ピアスに触れれば露骨に嫌そうな顔をして、くすぐったいのか小さく喘いだのが俺の加虐心をそそらせた。
まあ、結局2人のやり取りを聞いているうちにそういう関係なんだろうなあ、と思い同族嫌悪とはいえ、大切な恋人さんを横から、なんてなる気にはなれず、彼らの関係が恋人ではないのだと知る前の俺は仲良くなることは諦めた。
その翌日。
煙草を吸いたくて屋上に向かった。
ここは生徒は立ち入り禁止で教師しか鍵は使えないので俺の隠れ喫煙所。
…だったんだけど、鍵が開いていて、閉め忘れたかな、と思いながら中に入ってみると、いた。
狼が。
そりゃあもうぐっすりと眠ってた。
座って寝てるけど腰痛くならないのだろうか。
つか、こいつS.H.R.からずっときてんのに顔見せねぇと思ったらこんなところでサボってたのかよ。
このままにさせても良かったけど俺一応教師だし起こすことに。
殴ってやっても良かったが、丸まってすよすよと眠るこいつを見てるとそんな気にはなれず、優しく撫でて、声をかける。
擦り寄って、「あにき」と微笑むこいつは不覚にも可愛いと思った。
『兄貴』
彼には起きていてもこんな風に笑うのだろうか。
こんな風に甘えるのだろうか。
ーあの"最恐"の狼がブラコン、ねー
兄に甘える狼は、噂では想像できないほど可愛いものなんだろう。
それが微笑ましく、クスリと笑いが零れた。
けれど、その反面で何故かそれが気にくわない自分がいた。
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