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「兄貴と住み始めたのは去年の終わりからだ」
自傷癖を、と言う言葉は伏せてピアスを開けていることを家族が知っているのか尋ねたら予想外の返事。
親が再婚してできた兄か?と思ったがこいつの言い方からして一緒にすんでのは兄1人。
再婚したとしたら考えられない状況。
親は、と聞くと「知らねぇ」と答えるだけ。
…否、知らないわけ無いだろ。記憶喪失じゃあるまいし。
「何も言われてこなかった。兄貴と一緒に住んでる…それが答えだろ」
そう言って、苦しそうな表情をするそいつ。
それに1つの仮説。
…こいつの自傷癖、まさかこいつの家族…親が原因か?
ー訳有ー
つい最近、家族に無理矢理読まされた小説でよく出たその言葉が、こいつを壁で囲んでいる気がして、これ以上聞くことは止めた。
「…もういいだろ。ヤるんならヤれよ。もうどうでもいい、愁ともヤってることだ。…相手が1人増えたところで変わらねぇ」
自暴自棄になって両手を広げる狼。
自分を"物"のように扱うこいつは、どこか悲しげな目をしていた。
彼を見ていると心が締め付けられるような感覚がした。
こんなやつをいくら同意を得ても犯す、なんてこと俺にはできない。
狼がいなくなった屋上で、複雑な心境の中、当初の目的である煙草をふかした。
「…嗚呼、糞…、まじかよ…」
狼君と話したのは少しだけ。
なのに何故か自分のなかで"守ってやりたい"って気持ちが芽生えていた。
普段の俺なら思わない筈の感情。
…これってつまり、有るわけがないと思っていた守備範囲外の筈の生徒に少なからず好意を持ってしまったってことだよな?
「いや、確かに俺のタイプだし、反応可愛いし守ってやりてぇとか思っちまったけど…会って2日だぞ…?」
…いや、待て。
よくよく考えてみたら俺、魔咲と狼がセフレって知ってすぐ手出したよな?
そんでもって恋人だろうから諦めようとか思ったの初めて顔合わせしたときだよな?
「うっわ…、まじかぁ…」
どうやら守備範囲外の餓鬼に一目惚れ、していたらしい。
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