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あの後ずっとキモいくらいに愁は気にかけてくれて、学校で不安感が襲ってくることはなかった。
そんで、今はバイト中。
夜外をブラついていたらたまたまバイト先の店を見つけて、それでそこのオーナーと結構話すようになって、それでバイト探してるっていったらここに来ないかって誘ってくれたからここで働かせてもらってる。
嗚呼、因みに兄貴の高校時代からの友人。
「昴流、ピアス減った?」
バイト中は邪魔だし、食べ物に髪が入るといけないから髪をあげたり耳にかけたりしてる。
オーナーの優さんが髪をかけて、隠れていない耳につけられたピアスの量の変化に気づき、そう聞いてきた。
「学校では減らした方が良いって愁に言われたんで。…両耳で15位取られました」
「はは…まあお前の学校ここらでは良いとこだしな…。1つも開けてないやつばっかな所では目立つわ、お前の量は。俺の通ってた高校じゃあ目立たないだろうが…」
「愁も同じこと言ってました」
…そんなに目立つ?
中学の頃はあんまり学校行ってなかった上、行ってもサボってたからよく分からない。
「まあ、量は自由だと思うけどな。…特にお前の場合は、よ」
「…?どういう意味ですか」
優さんの言ってる意味が分からなくて首を傾げる。
だって、「お前の場合は」なんて俺は"例外"って感じの言い方。
だけど、優さんは意味を教えてくれることはなく「気にするな」と俺の頭を撫でて誤魔化した。
「友達出来た?…つってもまだ2日目だけど」
「…愁以外と馴れ合うつもりはありませんよ。…第一、近づこうなんて誰も思わないでしょうし」
「…それもそうか」
『目が合ったが最後』…なんて大袈裟な噂で俺と愁には誰も近づいてこない。
お互い、必要以上に人との関わりを持つ気は無いので有り難い話ではある。
「…ま、お前が"こう"なってくれただけでも良しとする、か」
「?」
安心したように優さんは笑う。
また優さんの言っていることが、分からない。
同じように首をかしげたら、「お前が気にすることじゃない」と、また頭を撫でて誤魔化された。
「ま、高校生活を楽しみなさい」
「…っ、はい」
楽しいことなんてないと思うけど、とりあえず頷いた。
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