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「それは良かった」
「っ、ぁァ……ッ?!!」
少しだけ嬉しそうに椿は微笑むと、また俺の耳に顔を近づけて、今度は囁かずに舐めてきた。
ピチャ、クチュ、とわざと音を立てて、俺の耳に舌を絡めて、甘噛みしてー……。
お腹の辺りがキュゥンとしてジクジクと熱が集まっていく。
音からも犯されて頭がおかしくなりそうだ。
「やめ、ろぉ…ぁ、ぁ…ン、」
これ以上されたら、勃つ、絶対。
嫌だ、こいつに勃たされるとか。
同性に性的な意味で触られることへの戸惑い、そして拒絶。
しかも勃たされるなんて。
「っくく、かーわい」
「っあぁ…ッ、ん、ぁァ…っ!」
椿の胸板を押し返し抵抗するも、ピクリとも動かなくて、先よりも比べ物にならないくらい甘い声で囁かれて、そこで俺の腰が悲鳴をあげた。
いつの間にか間に入っていた椿の足が俺の体重を支える形になって、椿のその筋肉質な足が緩く立ち上がっていた俺のモノをグニ、と押す。
ゾクゾクと腰に甘い痺れが走って、耐えきれないくらいに強い刺激に足が震えた。
「あらら…砕けた?」
「ぁ…っ、や…足で…すんなぁ…!」
「やばぁ…超可愛いお前」
椿が俺のを揉むように足を動かす。
ビクビクと体を震わせながら、その刺激から逃げたくて椿の胸を力の入らない手で何度も、何度も押した。
嗚呼、糞。何でだよ。
男に、女みたく見られんのは嫌で嫌で仕方ないし、こいつにこんなことされてんだ。気分は最悪で、吐き気すらもするのが普通だろう。
なのに、この行為に嫌悪感・気持ち悪さは不思議な位に全くない。
それだけじゃない。
密着し、伝わる熱。甘い声。快感。それに身を委ねそうになっている自分がいる。
拒絶感が薄まっていってるのが、一番理解出来なかった。
「ぁ、あ…イく、離せ、離せぇ…ッ、」
そう言っても、椿が止まってくれる様子はなく、俺の痴態に興奮の色を見せ、さらに激しく足を動かし、体がぶるりと震える。
「イけよ、昴流」
「あ…っ、や…ぁ、ぁ、~ッ、っ…」
そう耳元で呟かれて、ビクンと大きく腰が跳ねたのを合図に俺は絶頂を迎えた。
「あ…ぁあ…、」
椿を抱き締めながらイった余韻に浸る。
下着の中が生温い。イかされた。勃たされるだけじゃなくて。
ここまでされても、何故か気持ち悪いの『き』の字も頭に浮かび上がってこなかった。
椿は胸を上下に動かす俺に「すげぇ可愛いイき方」と小さく笑って、今度はちゃんと俺の体重を支えてくれた。
「お前にずっとこう言うことしたい位に好き。だけどそれ以上にお前を守ってやりたい。…俺を、信じてくれないか昴流」
そいつはプロポーズにも聞こえるその言葉をこんな状況でいってのけた。
順番が逆だろうと思ったが、今更普通を求めようとも思わない。
一目惚れとか意味分かんねぇけど、こいつが本気で、嘘はついていないってのは嫌なくらいに分かった。
こいつを信じても良いかもしれない、って一瞬思ってしまったが、どこかでそれを拒む自分がいて椿を信じきることなんて出来なかった。
「…俺は信じない」
最初と変わらぬ意思を見せれば椿は残念そうな表情を見せたあと、「今はそれで良いよ」と微笑んだ。
「信じてくれなくても、俺はお前を見ているから。いつでも助けてやれるように。…だからいつか信じてはくれないか。そうしたら、お前が背負ってるものを教えてくれ」
「…そんな日、来ねぇと思うけどな」
だが、覚えておくだけなら良いかもしれない。
糞で、大嫌いで、セクハラ野郎で。
そんなやつだけど、こいつのこの優しい目だけは悪くないと思った。
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