アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
、
-
「いやー、椿先生イケメンだったな。授業意味分からんかったけど」
授業が終わっての兄貴の第一声がこれである。
授業中、兄貴が椿の説明を聞いては首を捻らせ、頭を抱えて「何語だよ…英語わかんねぇよ…」と呟いていたのに笑いそうになった。
普通に構造式の説明だったけど。英語は1個も使ってないけど。
全部日本語だったから。兄貴にはあの説明がどう聞こえていたのだろう。
「流星さん見るの飽きなさすぎ」
「失礼だな…」
「でもそのお陰で臭いとか気にしないで済みました」
「それ喜んだら良いの?」
兄貴にとっては、馬鹿にされて怒るべきなのか、自分の言動で愁の気が紛れて愁が取り乱すことがなかったことを喜べば良いのか、複雑な気持ちである事だろう。
それでも愁がこの時間に取り乱さなかったことへの安堵のほうが勝ったのか兄貴は安心した表情を見せて、「お前の気が紛れたんならそれで良いよ」と小さく笑った。
でもやはり笑われたのは気に食わなかったのか「本気で俺考えてたんだからな!!」と笑う俺等の頬を抓ってきた。
兄貴、兄貴は別に一緒になって勉強しなくても良いんだぞ。参観日ってそう言う行事じゃないからな。
「…あ、もうすぐ保護者会あんのか…お前等これで終わり?」
「後1時間」
「じゃあそれ終わったら連絡して。どっかに食いに行くぞ。俺の奢り」
「…分かった」
兄貴の奢りと聞いて「悪いですよ」と遠慮する愁。
それに兄貴はごり押しして何度か言い合った末に愁が折れて兄貴に礼を言った。
「そうそう弟はお兄ちゃんに甘えてな」
「…っす」
兄貴に弟と言われるのは嫌ではないらしく寧ろどこか嬉しそうで、荒々しく撫でられながら愁ははにかんだ。
「やだ愁ちゃん可愛すぎ…食べちゃいたい…」
何故ここでオカマ口調なのか。ぎゅう、と抱き締めて犯罪臭しかしない発言をする兄貴。
愁はそれに苦笑いをして「捕まりますよ」と胸を押し返した。
「それに俺可愛くないんで。ヤりたいんなら女を探してくださいって」
「は?お前らよりも可愛い女なんているわけねぇだろ」
「そう言うブラコンなところ、ルウちゃんと流星さんが兄弟だなって実感します、俺」
真顔で「何言ってんだお前」と愁に返したその言葉に俺等が何言ってんだと言いたくなった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
36 / 1113