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あの後、このまま殴られるんだろうなぁ、と思っていると何故か拘束が外れて椅子から立たされた。
自由にしていいのか?なんて思ってたら柔らかいところに放り投げられて、そんでまた手足を動かせないようにされた。
…放り投げられた所の、柔らかさからして多分ベット?それかソファ。
何でこんなとこに俺横にされてるんだろうと、彼の行動に疑問を抱いていると、ベルトを外され、ズボンを膝の所まで脱がされた。
そんで、慣らしてない後ろに冷たいものを突っ込まれて裂けるような痛み。そこでこいつの言った”傷物”の意味をやっと理解した。
…"傷物"ってこういうことかよ。
『恋人』そう勘違いしてるが故の、”暴力”。確かに、恋人同士なら他の奴にヤられんのはかなり来るものあるだろうしな。
ま、恋人ではない俺達には全く意味のない行為。そんなことしたってあいつは、お前が思うような行動は取らない。…何かしらのアクションは起こしてくれるだろうが、それはお前が望む”恋人”としてじゃあない。
「…あ゛、ぅ…ッ、ひぁ、ン゛…」
無理矢理突っ込まれたせいで切れた皮膚から血が流れ、それが潤滑剤代わりに突っ込まれたソレが次第にスムーズに動くようになる。
バイブ音を出しながら中で暴れる強制的に快楽を覚えさせることに特化したその無機物。
最初は痛いわ苦しいわで気分は最悪だったが、挿れられる快感を覚えてしまっている体のせいもあり、そいつによって痛みが快楽により上書きされていった。
苦しくも、喘ぎ声を漏らす俺に、男はクツクツと笑った。
「あの"狂狼"が"メス狼(いぬ)"とはな?」
「っぁ、ん…っ、し…ね…ッ!!」
「…ッチ」
「っ、ひぁぁ゛ァ?!!」
嘲笑するそいつに暴言を吐き捨てれば、カチッと音がして、先までよりも大きく音を出して震えだした。
その刺激から逃げようと腰が引く。そうすれば容赦無しに男に奥を突かれて、嬌声が部屋に響いた。
「ゃ…ぁっあ、っく…ンぅ…」
「メス狼じゃなけりゃあ何だよ。抵抗無しで感じてるだけじゃねぇか。…悪魔も何でこんな奴と付き合ってんだか。…嗚呼、穴の具合が最高なのか?俺は野郎のケツに興味はねぇが」
「…っせぇんだよ、黙れ糞が。ころーー…っぁあぁぁァァ?!!」
「お前が黙っとけよ」
言いたい放題。俺が反論すれば一気に振動を強くして黙らせて、また強さを元に戻して。
五月蠅い。お前は何も知らない癖に。愁を、そんな目で見んな。愁はそんな理由で俺とシてるんじゃない。お前が愁を、侮辱するな。
そんな思いを真っ暗な視界の中で見えもしない男を睨んで、ぶつける。
それに、これはレイプ。”暴力”だ。殴られてんのとそう変わらない。
暴力と、性行為は全くの別物だ。お前が俺をそう言う目で見なけりゃあ性行為じゃあない。
俺はお前が止めるまでそれに耐えときゃあ良いんだ。お前の良い様に取ってんじゃねぇよきめぇ。
「ン…ぁ、っあ…く…」
ーやべ…イきそ…-
先から前立腺をブルブルと中で人には出来ない動きで押してくるから、絶頂が近づいてくる。
思ってた以上に快感が、強かった。だけどやっぱ暴力は暴力。意識は快感にのまれる所かはっきりとしている。
ーカシャー
「…ッ?!!っぁ、ぁん…」
2・3度シャッター音。
それは聞き慣れた音で写真を撮られたのだと直ぐに分かった。…愁に使うのだろうか?
こんな醜態を、痴態を撮られた。
女みたいに感じている所を、撮られた。
…と、普通は思うのだろう。流石に暴力であれ、俺も何かの感情を抱いても良い筈で。
けれど、恥辱の欠片も感じなかった。俺自身が笑ってしまいそうな位に何も、思わなかった。
何と言うか、他人事のように思えて仕方なかった。
どうせお前の思う通りにことは進まない、とかそれで満足するなら好きなだけ撮れよ、とか。
自分のことなのにどこか冷めているのは、きっとこれが、強制された性行為でなはく、暴力だからなのと、その俺を痛め付けるやり方が、バイブだから。
俺を責めるものがこんなものじゃなくて顔もわからぬこいつの手なら、足なら…性器なら。
何かしらの温もりがあれば、少しは恥辱心も芽生えたかもしれない。
ー『自暴自棄』ー
椿が俺にそう言っていたのをふと思い出した。
そうだったかもしれないと今なら思う。
そして、自分は今も椿の言う”自暴自棄”になっているのだろう。
この温もりの存在しない行為はどこか寒い。
その寒さが"あの家"を思い出させ、自分がどうでも良くなってくる。
そして、同時にこう思う。
寒くて仕方がない。怖い。
だから何でもいいから温もりが欲しい、と。
暴力でも、性行為でも何でも良いから”これ”以外が欲しいと。
冷え切り機能しなくなった思考回路はそればかりで埋め尽くされて。
だから写真を撮られても何も思わなくて、最初、椿に最後までされそうになっても、途中から拒絶感が無くなった。
…寧ろ、最後までして欲しいと俺はどこかで願っていたのだ。今も、あの時も。
暴力だとか性行為だとか。そんな話は置いといて、俺は温もりがあるなら結局の所何でも良いのだ。
嗚呼、何だ。強ちこいつの言うことは間違っていないじゃないか。
本当に
ー救えねぇビッチー
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