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晴れて両想い…否これを『晴れて』と言っていいのかは難しい所だが、まあ、なった。
俺が落ち着くと、地面に転がっていた俺の服を椿に着せられ、そして今は何故か椿の家にいる。
俺は椿の家に行く気なんて無く、とっとと家に帰るつもりだったんだが、「お兄さんに許可取ったからー」といつの間にか俺の携帯で兄貴にメールを送っていたらしく、その返信を俺に見せてきた。
そこには『腰痛めないようにー』と書かれていてヤる前提の返事が。そこは流石兄貴だと思った。軽い。
そして、椿の車に無理矢理乗せられ…こうなった訳である。
椿の家に入るなり、まず俺が向かったのは風呂場。早く中に出されたものを出したい。まだ残ってる感じがして違和感が半端なくある。
浴室の扉を開けて、軽くシャワーを浴びた後、掻きだそうと後ろに手を伸ばした時、そいつは何の前触れもなく入って来た。
「え、な…」
「クク…自分でするのも卑猥で可愛いな」
「…っ!う、うるさ…い!!」
突然の乱入に驚いていると、今にも指が蕾に埋まろうとしていた光景に椿はクツクツと喉を鳴らした。
そ、そんなこと言われても自分でしないで誰がやるんだよ。透明人間がやってくれる訳じゃあるまいし…。
「尻、向けろ。俺がしてやるから」
「ぅえ…?!」
椿が俺と同じ高さまで屈んできて、自分に尻を向けろと要求してくる。
「俺がやった方が早く終わるだろ」って。
「自分で出来る…!!」
「恋人の後処理は恋人がするもんだろー?照れんなよ昴流」
「っざけんな!!照れてねぇ!」
他の人に、しかも行為の当事者でない人にしてもらうのは抵抗があって、しっしと手で椿を追い払うが椿は無視である。
自分のじゃねぇ奴の体液が入ってんのに、それでも自分から率先してやろうなんて、理解出来なかった。
普通、逆じゃないのか。見たくないって思うんじゃあないのか。
「…俺、お前じゃねぇ奴と、した」
「馬鹿。だからこそだろ?自分の手でして、安心させたいとか思ったら駄目なの?」
「あ、ぅ…」
けれど、俺が考えていたものとは、真逆の回答。
こいつに”普通”は通用しないらしい。けれど、それが嬉しく思ったのは内緒だ。
「…嗚呼、もしかして俺にひとりでしてるところ見せてくれんの?」
「え…は…っ?」
俺が椿に中々任せようとしないでいると、クスクスと椿は笑ってそう言った。
違う、俺は。
自分で出来るからしないで良いと言っただけで。と言うかまず入って来たのはそっちじゃないか。
「自慰してるみたいでそれはそれで良いな」
「な、な…?!」
俺が言い返すよりも先に付け足されたその言葉。
恍惚に満ちた、弧を描く瞳。
嗚呼、嗚呼。理解した。
この脳味噌コスモ野郎は、頭がおかしいんじゃない。
ただの
「こっんの…『変態』…!!」
なんだ。もしかしなくても、絶対。
「変態って…。可愛いなお前。…ほら昴流やって?俺は見といてあげる」
俺の言うことには否定せず、ニコニコしながら俺を見てくる椿。
…目が早くしろと言っているようで。なんでお前に見られながらしないといけないんだと椿を睨んだ。
変態なのは、こいつ自身認めてしまっているらしい。
「ほら、早くー」
「…お前がどっか行ったらやる」
「え、嫌に決まってんだろ」
当然のように言ってるけどよ、俺は嫌なんだ。
自分でやってるとこなんて見られたくもない。
つーか、お前が勝手に入って来たんじゃねぇか。やること無くなったんならさっさと出て行け。
「んー…俺はどんな昴流でも愛せるって証明?昴流すーぐ不安になっちゃうから」
「うぇ…?」
「俺じゃねぇ奴に突っ込まれても、合意であろうがなかろうが他の奴とヤっても、お前がどんなに感じても。それでも俺はお前のことちゃんと分かってるって知らねぇ奴とのセックスの後処理の場に俺もいたら証明出来んだろ?」
「…ぁ……、」
俺が予測出来ないことばかりを言ってくるが、でもちゃんと俺のことを考えて言ってくれてて。
いつでも、こいつは俺を安心させたいってことを第一に考えてるのだと実感した。
お前がそう言うのなら、そう思ってくれているのなら。
お前を信じて…
「まあ、絶対可愛いだろうなって欲もあるんだがな」
…信じて、指を入れようとしたのをその一言で止めた。
どう足掻いても、こいつはただの変態だ。
「…やっぱ、出て行け」
「やーだ。…ふふっ、早くしねぇと朝になるぞ?」
こいつには折れる、と言う言葉が辞書に載っていないのか浴槽の縁に座って俺が椿の前でやって、終わるまで動かないという姿勢を見せる。
そんな椿に俺は睨んで、「出て行け」という念を送り続けた。
が、こいつはニコニコとしているだけで、睨んでる俺すらもどう映っているのか「可愛い」と言ってくる。
こいつの目は大丈夫なんだろうか。宇宙に置いてきてしまったんじゃないだろうか。1度眼科に行った方が良いかもしれない。
「すーばーるー」
催促してくるこいつ。こいつが風呂に入ってきて暫くが経った。
俺が睨んでる間「可愛い」と催促を繰り返し、それらの言葉はもう何十回も聞いた気がする。
テコを使っても動きそうにないこの変態。
どうやら本当に辞書に載っていないらしく、ついには俺の方が折れてしまい、嫌々蕾に手を伸ばした。
「後で覚えてろよ…糞…」
「ふふ、楽しみにしとく」
ギリ、と今日1番の鋭い目で椿を睨むと、こっちに意識を集中するために瞼を閉じ、指を挿入した。
「ぁ…ん…んぅ…っ」
くちゅり、くちゅりと浴室に水音が響き、皮膚に涼の視線が突き刺さる。
その視線から逃げるように、ぎゅうっ、と力強く瞼を閉じて、早く終わらせろと自分の指に命令した。
こいつは俺が全部掻き出すまでずっと俺の醜態を目を逸らすことなく見ていた。
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