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「ほらそんなむすぅってしないでよルウちゃーーん…ごめんってぇ…ルウちゃんのお菓子食べたかったんだもん…」
「五月蠅い馬鹿…」
謝ってくる愁に視線を合わそうとはせず、見事強奪に成功した菓子袋を両手でしっかり抱き締める。
「俺のお菓子ー…」と泣きそうな声で言われたがお前が悪いんだ。これは仕返しだバカヤロー。
数人の女子と一緒に料理とか、想像しただけでも嫌だ…。
何でいるの?って目で見られそうだし、空気気まずくなんのも嫌だ。
何か作業してる間に俺が殴ったりうんたらこうたらする訳ないのに怖がられるとか居心地最悪じゃん。
俺マジで何で菓子作り枠なの。女子だけで仲良く作っとけば良いじゃん。
それに菓子とか作ったことないから絶対足手纏い…サボろうかな。
けどサボったら余計怠そう…。
…何てことを俺が考えている隣で謝罪し、菓子袋を返してくださいと敬語で頼んでくる愁。
誰が返してやるか。暫くはこのままだ。
「ルウちゃーん…ほ、ほら…流星さん甘党でしょ?流星さんが美味しそうに食べる姿でも想像して作りなよ。練習だと思ってさ。ね?ほら良い機会!!」
謝ってばかりじゃあ俺がこればかりは折れてくれないと分かったのか話題転換。
…嗚呼、そう言えば兄貴甘いもん好きなんだけっけ、とその言葉でふと思い出す。
日曜良く凄ぇ甘そうな菓子食べてんもんな…。
…そう考えると頑張れそうな気がしてきた。
が、菓子は返してやらない。1時間位は没収。
「ルウちゃーん……」
ついにはゆさゆさと俺を揺さぶり許しを乞うてきた。
お前はそんなにもこいつが大事か。一種の中毒だなもう。
ーピロン…ー
菓子袋を巡っての攻防をしていると、俺の携帯からメッセージを知らせる音。
端末の電源を入れてみると、メッセージはメールでは無くて無料通話?のSNSアプリ。
送り主は椿。
俺あんま使い方分からないから自分からこれを使ったりしないんだけど、椿からの要件だったら大体こっち。
まぁ、それで。肝心の内容は『今から屋上来て。昼飯』って書かれてた。
現時刻12時。昼休憩の時間。…嗚呼、愁のせいで今が昼休憩なの忘れてた。
愁のせいで。
「俺屋上で飯食うけど…お前も来るか?」
愁とはいつも一緒に食べてるから、聞いてみることにした。
メールの内容からして椿が俺に一緒に食べようって誘い…だろう。
それが分かっていて愁を誘ったのは、いつも一緒だったから違和感があると言うか…、そんな理由から。
まあ、許した訳じゃないから菓子袋は返してやらないけど。
「そうだねー、学校でルウちゃんが掘られて早退しないといけないなんてならない様に俺も行く」
掘られないようにって。
昼休憩にヤろうとか普通思わないから大丈夫だろ…?昼休憩が何分だと思ってんだよ、40分だぞ、40分。あ、結構あったわ。
…じゃなくて、早退って何?!俺、そうなる程される前提でヤられんの?
うっわぁ、マジかよ。それは嫌だな。
「…って言うのは半分冗談。ルウちゃんといつも一緒だったから1人で昼食後食べるのは違和感あるってだけ」
愁も俺と同じことを思っていたらしい。
半分冗談ってところには引っかかるが…知らぬが仏、と言う奴だろう。聞いては駄目だこれ以上。
…愁と一緒だったら椿怒んかな…。
ほら、こいつ等互いにいがみ合ってるって言うか…同族嫌悪って奴?
だから順序は間違えたけど一応椿に愁も一緒だということをメールで伝えると直ぐに「はいはい」と返ってきた。
…これは本心は嫌だけど仕方ないかって『はいはい』なのか?それとも別に構わないよって『はいはい』なのか?
…分かんねぇけど、まあ良っか。うん、許可貰えたんだし。
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