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俺が食べ始めると落ち着いた2人。お互い俺を挟むように座っている。
俺壁にされてる気分…。お前らどっちが西で東だよ。俺ベルリンじゃねぇからな。
まぁそれでお前等が喧嘩しないなら良いが…俺を挟んでするのは止めてくれよ。
このままの状態で昼休憩が終わることを願う。
「お前ら仮装何すんの?…これ美味いな」
パクパクと美味しそうに俺の作った弁当を頬張りながら例の文化祭について椿が尋ねてくる。
ロングの時間に店番する時間決めたんだけど、 俺達は2日目、一般開放する日に接客しないといけない。
一般開放の時にするとか1番したくなかった奴。
んでまぁ、その日になんの仮装をするかなんだけど…正直に言うと決まってない。
なんかさぁ、もうくじで決めて欲しかった。「この人はこれねー」みたいな。自分で決めるとか無理。
もうさ、普通の格好で良っかなぁ…。
……あ、それじゃあ仮装じゃないのか…。
「お前ら狼と悪魔なんだからそれすれば?」
「んー…」
狼男と悪魔って何が基準でそう言えるんだろう。
…やっぱ、耳?そんな耳俺持ってねぇぞ。
「演劇部が持ってんだろ。年に何回しかどうせ使わないんだからパクっとけ」
「パク…?!」
「ぶはっ!盗むとか流石屑の考えることは違う~」
演劇部の衣装盗めば良いとか言うのは教師としてアウトじゃねぇか?
借りるって言えよせめて。
ほら、さぁ…盗む気持ちで行ったら罪悪感が多少は出てくるだろ。使われていないんだとしても!!!
愁は愁でツボったのか爆笑してんし…。
嗚呼、そうか。でも借りるってのは良いかもな借りるのは。
そうすれば何個かある候補から適当に選ぶだけで良い。候補があれば難易度は下がる。
正直やるのは何でも良い。同じ様なもんだろうし。
だから狼の耳?尻尾も要んの?…まぁ、それが演劇部が持ってるなら、狼でも良い。
あ、狼じゃなくて人狼?どっちでも良いかそこは。
「昴流の狼姿きっと可愛いだろうな?食う側じゃなくて食われる側にならねぇよう気を付けて」
「っは…?」
誰が上手いこと掛けろって言った。…否全然上手くねぇよ。
まさかの狼赤頭巾に返り討ちに遭う説。
狼赤頭巾ポジションかよ。
…じゃなくて。たかが仮装じゃねぇか。可愛いって何だよ。食われる訳ねぇだろ馬鹿かこいつ。
嗚呼、そうか。変態だったな。頭が宇宙に行ってんだったわ。忘れてた。
俺宇宙酔いした言葉分かんねぇから地球に戻ってきてくれ。お前の発言に俺は驚いてばっかな気がする。
「…あ、そうそう。女子から伝言。明日の放課後家庭科室取れたから残って、だとよ。試作品作るんじゃね?」
思い出したように、言伝を俺に伝えてきた。
伝言。椿経由。俺に話し掛けようともしてこなかったそいつ等。
直接は無理だから俺と愁を除いて唯一話せる椿に伝言を頼んだってことか。
まぁ、良い。良くあることだ。思うことは色々あるが、こう言うことで毎回毎回苛つく訳にもいかない。
…明日、か。
そう言う"仕事"が出来たならサボることは基本しないけど…明日バイト入ってるんだよな。
菓子なら、飯作んのと違ってパッパと出来なさそうだし、帰る時間は7時、とかそん位か…?
優さんに明日無理かもしれないって後でメールしとかないと。
「作り終わる頃に俺行くからお前が作ったの頂戴」
ニコリと笑って、俺が作ったのを食べに行くと宣言したそいつ。
7時って、教師残ってる奴は残ってる時間帯だよな…?
まだ仕事があるから残ってる訳で…。
「お前、仕事は」
「嫌だな、仕事よりもお前の作ったお菓子に決まってんだろ?」
さらりと帰ってきた答え。お前は優先順位がおかしい。
だがその後聞いた話では曰、自分は器用に仕事こなしてるからそん位には片が見えてきているらしく、食べに行くのを優先しても何の問題も無いとのことで。
それでも、それでも優先順位はやっぱおかしいと思った。
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