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時は流れて翌日の放課後。
家庭科室で愁に髪を弄られながら、俺はスマホに載ってるレシピと睨めっこ。
レシピ見てて思うことは菓子となると作り方が違うってこと。聞いたことの無い器具の名前が書かれている箇所も。…出来る気がしない。
軽く暗号だ。理解するのに時間がかかりそうだ。
誰でも出来るからって難易度低めらしいクッキー担当に俺はなったんだが、砂糖多過ぎじゃあないか…?
菓子ってこんなに砂糖使うの?ってレベルで使われてる。
その本が甘く作ってんだと思って他のも見たけど大体量は同じ。
砂糖って少し使っただけでもそれなりに味は出てくるのにこんなに使ったら凄ぇ甘くなると思うけどこれが普通なのか…?最早この量砂糖菓子でも作んのかって聞きたい。
市販のより甘くなるんじゃあ…?あれも十分甘いのに。
「ままぁ、1通りしてみなよ、使うの砂糖だけじゃないしね。そこまで甘くないかもよ?」
…それもそうだよな。
菓子作ったことが無いから完成品の味が全く予想が出来ない。
大体レシピを覚えれた所で愁が俺の髪を結うのも終わったし、調理に取り掛かるために立ち上がる。
辺りを見渡すも、器具とか材料とか。何処にあるのか分からない。
怖がられるからあまり俺から話す気になれないんだが、そう言ってはいられないの材料とか器具とかいるから女子に声を掛けた。
予想してた通り、声を掛けた女子に怯えられた。
俺何もしねぇよ。第一に、女子相手に殴る訳無いだろ。
「材料どこにあんだ」
「え、あ…クッキーのは向こう…で…器具は棚から要る奴を取って」
「…ん」
指さされた方にあった材料を書いてあった通りに計量する。面倒だったからぴったりではないけど少し位なら大丈夫だろう。何事も適当で何とかなる。
泡だて器なんて使ったことが無くて引っ付いて中々思ったようにいかないバターに悪戦苦闘。
何で溶かさないんだ。レシピは固形のままだったが溶かしても良いんじゃないかと思いながら泡だて器に挟まったバターを取ろうとボウルで泡だて器の先を叩く。
…が、あまり取れてくれない。
苛々しているとそれを見かねてか女子が怯えながら混ぜ方を教えてくれた。
中に入ってしまう分はあまり気にしなくて良いらしい。柔らかくなったら混ぜれるようになるからって。
「…こう、するのが私はや、やりやすいんだけど…」
「…ん…」
流石女子。ちょっと混ぜ易くなった。
「…ど、どう…?要らないお世話だった…?ご、ごめんね…?!」
俺が口出されたことに怒っているとでも思ったのか、謝って来たそいつの手は震えている。
怖いのなら、ほっといて話し掛けなければ良いのに。
「…良い。ありがと」
けれど教えてくれたことには変わりないので一応礼はする。
そうしたら驚いたような顔をして、けれどそいつの手の震えは止まってた。
「ルウちゃん良い子~殴っても良いのに」
女子が俺から離れていくと、愁がそう言って俺の頭を撫でて褒めてきて。
…別に、殴る理由はないだろう。
勝手に俺って像を作られて、やりもしないことで怯えられんのは嫌だ。
けれど、そう思わせているのはここらで流れている俺等の噂のせい。
誤解を解く気にもならないし、いつも見てきた目だから何て言えば良いんだろう。若干の諦め?
嫌で、苛つくけど、そこまで怒ろうって気にはなれない。
嗚呼、そう考えると特殊だな。あいつ等。ほら椿と吉柳。
椿は最初から怖がらないかった。吉柳は最初こそビビっていたが、今じゃああれだ。
「そんな良い子のルウちゃんにご褒美~、あーん」
「んあ…、」
菓子作りには寝かすという理解し難い作業が挟まってて、生地が出来たからそれを寝かす為にラップで包んでいると、ご褒美と称してそいつに口を開けるよう催促される。
言われた通り口を小さく開けると愁に何か口に突っ込まれ、ミルク味のチョコレートの味が広がった。
うっわ、何これすっげぇ甘い…。
「でもさ、偶には甘いのも良いでしょ。休憩は必要だよ」
「んー…」
チョコレートでコーテイングされた棒状の某菓子をもごもごと食べる。
まぁ、食べれないことは無いんだがな。やっぱ甘い。
お前の場合、毎日菓子食べてるからつまり、毎日休憩してんだろうか。
でも、そう言うことだよな…?
愁が手を離してくれないので仕方なく頭を動かしてそれを食べ進めていく。
半分くらい食べた所で、愁が手を離し、もう片方の端に何故か愁が口を付けた。
そっち味あんのか…?
「ん…、っ」
ポッキーゲームと呼ばれるらしいそれに特に恥じらうことなく食べ進める。
こんなこと日常的。愁とやんのは1種の遊び?触れ合い?みたいなものだ。
噛み切ることはしないで互いに食べ進め、唇が触れ合いそうな所まで来ると、愁は菓子から口を離して俺の下唇に吸い付いた。
そのまま舌を侵入させようとしたので流石に愁の足を踏んで抵抗した。
これ以上は、駄目だろう。
俺は、構わない。お前とのキス何て何度もしてきた。今更恥ずかしがるやら嫌がるやらするもんでもない。
けれど、けれどやはり駄目だろう。だって俺ら以外にも人がいるんだぞ。
「…けちぃ」
誰がケチだ。当然の反応だろーが。
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