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「ルウちゃん、ボタン閉めた方がいいよ」
「あ?」
「キスマーク、見えてる」
朝、いつものように第2ボタンまでワイシャツを開けていると愁に注意をされた。
言われてスマホのカメラを見てみると、鎖骨と首筋にちらちらと見えていた。
あー…特に気にしてなかった。
「そう言うの隠した方が良い。ルウちゃん肌白いから凄い目立つし、それ見た俺とルウちゃんが恋人同士だって勘違いしてる奴等がいつ前みたいに襲ってくるか分からないんだからさ」
「…ん、分かった」
愁の言ってることは最で。
俺たちに恨みがあって、尚且つ愁と付き合ってると思ってる奴等が、俺の付き合ってる相手が違うなんて思わないだろうし、キスマークを見て愁と付き合ってると確信を持ち、復讐をしようと襲いかかる。
ってなるのは簡単に予想出来る。実際一度襲われたんだし、その可能性が無いと言い切ることは出来ない。
今日は下にシャツ着てないけど明日からまたシャツ着てこようかな。
ボタン留めるのは息苦しくて嫌だ。
「はい座ってー。出席取りますよ」
「きゃぁあ!!」
「先生それどうしちゃったんですかー?!」
「一杯ついてるー!!」
S.H.R.のチャイムが鳴った1分後位に開いたドアから現れた涼を見て、女子がきゃあきゃあと声を上げる。
その原因は勿論、俺がつけた隠しきれてない…というか隠す気なんて全くない見せびらかすように開いたシャツから覗く大量の赤い痕のせいで。
隣で愁が「見せびらかしてんじゃねぇよ…」って舌打ちするのが聞こえた。
女子からの質問の嵐。
騒がしくなった教室で椿と目が合い、クスリ、と笑った。
「可愛い恋人が俺が付けたら『自分も付ける』って一杯付けてきまして」
涼は誤魔化す所か本人がいんのに女子たちに昨日のことを自慢話でもするかの様に話し始めて、また女子が「きゃぁぁ!」と黄色い声を上げた。
それに俺は顔が熱くなっていくのを感じ俯いた。
したのは確かに俺だけど、恥ずかしくなってくるから少しは誤魔化す位しろよ、馬鹿。
「首輪みたいにつけるんだから本当、…可愛いですよね」
普段の涼を知らないなら気付かない、声音の変化。
少しだけ、色気がある声に心臓が跳ねる。
嗚呼、違う。こいつは、わざと言っているんだ。俺に聞かせるように。
自慢話何て二の次。こいつはただ、俺がこうやって恥ずかしくなっているのを見たいだけなんだ。
…もう、嫌だ。この変態。
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