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文化祭の方の準備も順調に進み、あっと言う間に当日になり、1日目を無事に終わらせ文化祭2日目がやってきた。
「きゃールウちゃんかわいー」
「凄ぇ複雑な感想…」
俺は髪を結んでもらうついでに演劇部から借りてきた黒色の耳をつけてもらった。
相変わらず手先が器用で、長い髪を活かした、編み込みとピンを駆使した髪型。愁曰最高傑作。
服は家から適当に服を取ってきたもの。俺の体型に合う衣装は演劇部になかったから。
ピアスも"付ける"って感じじゃなくてお洒落の範囲で愁が嵌めていってくれているみたいなのだが正直俺には違いが分からない。どっちも一緒じゃないのか?そう言ったら怒られたのでもう言わないことにする。
「狼男ぽいからー」とペットにつける首輪みたいなチョーカーをつけられ、そして完成した"仮装"に対しての感想が最初のあれ。
可愛い可愛いと俺に頬擦りをしてくる愁。嬉しくは無いが怒る気にはなれない。
あれだ、多分きっと慣れてきたんだと思う。涼に毎日可愛いって言われるから。
最近じゃあ涼に言われても前程嫌だとは思わなくなったし。
慣れって怖いな。
対して愁はスーツを着こなし、耳のあたりから出ている角がやけに似合っていて、"悪魔"じゃなけりゃあ普通にモテてんだろうな、って思った。
まあ実際、やってきた他校の女子にかなり人気ぽいし。
口を開けばあれだが黙ってりゃあ普通にイケメンの部類だもんな、あいつ。
それに、猫被んの上手いから。
「ルウちゃんど?俺に惚れた?椿から乗り換える?」
「…馬鹿言うな」
「って」
調子に乗り出した愁にデコピン。惚れねぇよ。
一生俺お前に惚れることは無いから安心しろ。
「…お前とは、そう言うのじゃないだろ」
「ルウちゃぁぁん…!俺も大好きぃ…」
「うわ…?!」
急に愁が飛びついてきて好きだなんて俺は一言も言っていないのに大好き大好きと言ってくる。
俺はお前と涼は比べる対象じゃないだろうって言っただけなのに、こいつの頭はお花畑何だろうか。
…まぁ、じゃあ嫌いなのか、って聞かれると…そりゃあ愁のことは好きなんだけどさ。
「…離れろ角痛い」
「…あん残念」
角が頬に突き刺さって痛いから愁を引き剥がした。残念、じゃねぇよ。お前もそれもいでつついてやろうか。
痛いんだからな地味にそれ。
愁の角から逃げる様に立ち上がり、自分の持ち場に行く。
俺は廊下に看板を持って突っ立ってる係。接客の方は愁に押し付けた。
だってこっちなら話さなくて良いから楽じゃん。
…って思って看板をくるくる回して遊んでたんだけど「どんな店なんですかー?」とか「どんなのがあるんですかー?」とか中に入れば分かるのに下らねぇ事ばかり、ちょっと化粧した今時の女子高生?って感じの女子に話し掛けられて。
しまいには「名前なんですかー?」だ。
こんなこと聞かれたの初めてでそれに対しての戸惑い半分、しつこさに苛々半分。
何したいんだこいつ等は。看板を投げつけてやりたくなった。
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