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「それより俺凄い見られてる気がする…」
言い合いは俺が食べ終わっても続き、やっと終わったかと思えば涼が苦笑してちらり、と吏さんに視線を移した。
吏さんはどう言う訳か涼をじい、と見つめている。
幸仁さんが深く溜息を吐いて「失礼だろ」と吏さんの頭を殴る。
「あいたぁ?!!」
「お前が悪い」
「むー…だってぇ…本当にこの人が昴流ちゃんの彼氏なのかぁ…って疑問?」
「どう見たってそうだろうが」
この場に教師なのにいるのがその証拠だろう。
…つか、俺を探してくれた時点で吏さんでもそれは俺が言わなくとも察せれる筈で。
じゃあ、その疑問は分かっている上での確認ってことになる。
「…だってさぁ、昴流ちゃんの相手だよ?この性格悪そうな人がって思うじゃん?」
「…凄い言い様ですね。悪いんですか?」
「教師のイケメンは猫被りで根は真っ黒って相場が決まってるからね!!」
「止めろアホ」
「ぶはっ、はははは!!やっば最高吏さん」
「何だよ相場ってんなの聞いたことねぇよ」
「お前は偏り過ぎなんだよ」
「どっからそんなこと聞いてくるんやろうねぇ」
それを聞いてゲラゲラと笑う愁と、吏さんを殴ったり蹴ったりする大人4人。
凄ぇ偏見だけど強ち間違ってないのが凄いよなぁ。悔しくも否定できなかった。
Sだし、変態だし。優しいけれど、そっちの方が強い。
学校では猫被ってる。エスパーかって位に当たってる。
「すいませんうちの屑が馬鹿して」
「…いえ、気にしてませんよ」
「昴流、気にすんな。あいつも別にお前らの関係を否定してる訳じゃねぇから」
「…分かってますよ」
皆のパパが、頭を下げ涼の悪口を言った吏さんのことを謝る。
…屑に馬鹿は流石に吏さんが可哀想だと思ったけど言わないでおく。
ちゃんと分かってる。
吏さんが誰よりも俺に大切な人ができて喜んでくれていること。
吏さんが嗚呼言ったのは「俺の子供をお前に渡すことはできない!」…みたいな親心に近いものというか、何と言うか…。まぁ、それに近いものだ、きっと。吏さんの子供になった覚えはないけど。
「椿さん…でしたっけ。昴流のこと頼みます」
「言われなくても」
まるで子供を嫁に出すような台詞をいうパパ。
そんなに心配されなくても大丈夫なのに。
「はは、ほんまパパは心配性なんやからぁ!禿げるで?」
「んじゃあ、手前ぇを禿げにしてやろうか。バカメ」
「お巡りサンとは思えない台詞!!」
「あ?捕まえてもらいたいのか?手前ぇの過去の行いからして傷害罪はーー」
「それお前もやん?!!」
「何か言ったか」
反論は認めない。そんな視線を要さんに送り、黙らせる。
そうして「俺は大半お前等止めてただけだろーが。お前等程してねぇよ」と言葉を付け足す。
「お前等程」つまり、少しはしているってことで…
「…理不尽っていうんやで、それ」
…と要さんがボソボソと小言を漏らした。
「あ?何か言ったか」
「ひぇ…何でもないで?!嫌やなぁ…」
幸仁さんにそれについて迫られ、要さんが冷や汗を掻き、誤魔化す。
相変わらずな2人の会話を聞いて、思わず笑ってしまった。
嫌なこともあったけど、それを忘れるくらいに騒がしかった1日はずっと続いたらいいのにと思ってしまう位に特別な、楽しい時間だった。
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