アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
、
-
そんなこんなで始まった。する気の無かったテスト勉強。
社会科とかは暗記物だからそれを中心に。
理系科目は大丈夫だと思うけど、こればかりは覚えれない。覚える量多過ぎ。
「…風邪でも引いたのか?お前」
「む…失礼だな」
学校で置きっ放しの教科書を読んでいると愁が信じれないと言うかのようにその光景を見て眉間に皺を寄せた。
「否、だってお前が勉強って…勉強嫌いな癖にどうしたの」
出来ればあの時のことを思い出すからやりたくない。
幾らやっても報われなかった、そんな記憶。
今の今まで、必要以上は避けてきたそれ。それを自分からこうして休み時間に進んでやっている。
失礼とは言ったが、俺を隣で見てきた愁は驚いても無理ないのかもしれない。
「ルウちゃん成績悪かった?平均以上ウロチョロしてたでしょ」
「…まぁ」
嗚呼、そうだ。平均以上はいつも取れてる。
俺だって、昨日まではやるつもりなんて無かったよ。
「…涼にちゃんとしろって言われなかったらな」
やると言ってやらないのは裏切っているようで嫌だからちゃんとやる。
教科書に目を通して、確認程度に問題集を開いているだけだが。
目を通すだけだから学校終わったら溜まってる家事とかバイトで忙しくて学校ででしか復習することは出来ないけど、時間に困ると言うことはない。
「…へぇ、あいつにね…。ご褒美あげるとか言われた?」
「…言われたけど、断った」
そんなん欲しいって思う歳じゃねぇってば。
だってご褒美って物とかだろ?俺まず欲しいものなんて無いし。
愁もそんな事分かってる筈なのに何でこうこいつは涼の言動をぴったりと当ててくるのだろう。
…似たもの同士だからか?
「否、あいつの思考回路ルウちゃん関係になると凄ぇ分かり易いから」
…そう言うお前には悪いが、俺は全く何考えてんのか分からねぇぞ。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
122 / 1113