アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
、
-
「狼城くぅん、ちょっとお話ししたいんだけどー」
「…ああ?」
久世が涼に引っ付き始めて1ヶ月近くが経とうとしていた某日。
意味の分からない笑みを毎日見せられ、あからさまに挑発し続けられ、俺のイラつきがピークに達していた時に話し掛けられた。
聞けば、2人きりで話したいと言う。
涼のことでだろうか。否それしかこいつが話しかけてくる理由なんてないと思うけど。
どう言った内容なのかは想像が付かないが、殴りたい衝動を堪えて、俺はそいつに付いて行くことにした。
着いた先は放課後のため使われていない多目的教室。
周りの教室の電気は点いておらず、人が全く通る気配はない。
…話を聞かれたら困るってことか。
「…さっさと用件を言え」
「せっかちぃー、そう睨まないでよー。僕こわぁい」
あまり久世と長話する気にはなれず、早く用を終わらせてくれと要求する。
人の神経を逆撫でするようなその口調と態度でそれに返され胸の辺りがムカムカする。
何もしないのに怖がられんのもあれだが、これもこれで…つかこれの方が何倍も腹立つ。
殴ってやりたい衝動をポケットの中で拳を握り、耐える。
「早くしろって言ってんだよ」
苛々しているのでどうしても口調が荒々しくなってしまう。
殺気を籠めて睨んだら久世はこれ以上伸ばしたら俺に殴られかねないと察したのか、「冗談はここまでにして」と、本題に入った。
「…これさぁ、君デショ。これも、これも、これも」
久世が俺の足元に写真を1枚ずつばら撒けていく。
1枚目は中学の頃の愁とヤってる写真。愁が昔、チンピラの間では出回ってるって言ってた写真。
2枚目は目隠しされてバイブ突っ込まれてる写真。
多分これは前愁に恨みを持った奴に襲われて、撮られた時の奴。愁がこれは出回っているとは言っていなかったから何故こいつが持っているのかは分からない。
3枚目は、文化祭の時のレイプされそうになった時の写真。
多分これはこいつが撮ったんだと思う。何であの場にいたのかは不明。
最後はつい最近の、理科室で俺が涼とヤってる写真。
涼は背を向けてて顔は見えてないけど俺は少しだけ見えてる。…多分これもこいつが撮った…?
「ヤバイよねぇこんな写真が出回ったらさぁ…」
ニヤリ、と嫌な笑みを浮かべる久世。
それは愁が人を落としにかかる時のものと似ている。
…嗚呼、何となくだけど分かった。
「俺を脅そうとしてんのか?」
「ま、そうなるよねぇ」
ここで写真を提示したのは、俺の弱みを握っている証拠を俺に見せる為。
この写真をばら撒かれたくなかったら…って奴だ。
この中に涼との写真もあるからこれで俺と涼の関係を知ったのは悟れる。
俺等の関係を知っている、涼の引っ付き虫が俺をこんな所に連れてきて、ご丁寧に写真まで見せて俺に要求することなんて考えられるのは1つ位だ。
「椿涼に近づくな…って言いてぇのか?」
「正解」
…本当、涼お前面倒臭ぇのに好かれたな。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
132 / 1113