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こいつがこの写真を見せてきたってことはそれで俺が退くって自信があるから。
恐らく、今まではそれで上手く行ってたのだろう。
そうでなくても、これだけの写真があれば、誰だってそう思う。俺も、こいつの立場ならばそう思っていただろう。
…確かに、この写真をばら撒かれたら俺の立場も涼の立場も悪くなる。愁だって。
"写真"ってのはそれだけの力を持ってて、使い方によっては人の心を容易く操れることができる便利な物だ。
だが、それはつまり"考え方"次第でどうとでもなるってことでもある。
考え様によってはその脅しは"無意味"で、立場が悪くなるのは俺だけ。
「そこに写ってる俺以外の人物は"被害者"」
「は?」
「言いたきゃ言やあ良い。そいつらには俺が"無理矢理させた"。俺は『ビッチ』らしいからな」
元々涼は俺と違って人望が厚い。…俺がこう言えばここの教師共はそれを絶対信じる。
誰に味方をするかなんて分かりきったことだろ?
俺はもう落ちるとこまで落ちてるから、涼と愁に迷惑が掛からないのなら自分がどう思われようと構わない。
つかもう、これ以上俺の評価を下げようがねぇしな。
こいつの間違いは俺が"今まで"と同じように行動すると思っていたことだ。
俺が自分"も"守る前提で話を進めると思ったのか?
別に、俺の世間体だなんてどうだって良い。
今のレッテルに淫乱とか付け足されても今とそう変わらない。
バラされることに対して恐怖とか言ったものは特にない。
それが怖いのなら、深い所まで落ちたくないのなら、俺は今もあの家で兄の背を必死に追いかけていたことだろう。
「考えが甘いんだよバァカ」
俺の発言に目を丸くさせる久世。
俺が言ったことに言い返さず、表情が崩れてしまったことから、まぁネタ切れなんだろう。
こいつが俺を脅せる材料はあの写真だけ。
…愁ならば、更に何段階か準備し俺を呼び出していただろう。
こう言う類の脅しが効かないと分かれば、それとは全く違う手に切り替える。
確実に落とす為に、ある程度のことは予測して、蜘蛛の巣のように色取り取りな全てが全て違うトラップを張り巡らせる。
1本の脆い糸では獲物を仕留めれないが何重にも重なったそれからは逃げ切ることは出来ず、いつかは体の1部に引っかかり、捕らえられる。
あいつは、『悪魔』は、そんな奴だ。
狙った獲物の翼を狩る為ならば、食らう為ならば、数百の糸を張り巡らせることだって惜しまない。
俺の弱味を握るならそんな『悪魔』位の"屑"にならねぇと無理だろうよ。
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